「数学U」に続いて、やはり高校2年生が履修する「数学B」に進む。「数列」、「ベクトル」、「確率分布と統計的な推測」の中から2つを学習することになっているが、ここでは2期で「数列」(10月期)と「ベクトル」(’25年1月期)を取り上げる。いずれも興味深く、文系・理系を問わず役に立つ内容である。 今期の「数列」は等差数列、等比数列、に始まり、漸化式と数学的帰納法までを学ぶ。カレンダーの日付けや、ある地点における一日の最高気温など、数が並んだものが数列である。数列の和が必要になることもある。また有限の存在である我々人間が、無限に関する事柄を証明するための数学的帰納法や、ときに重要な役割を果たす漸化式などもここで学ぶ。取りつきやすいが意外に奥深く、歴史的にも驚きと感動に満ちた豊かな内容である。(講師・記) 【カリキュラム】 1. 2024/10/12(土) 等差数列 飯高 2. 2024/10/26(土) 等比数列 飯高 3. 2024/11/09(土) いろいろな数列 中村 4. 2024/12/14(土) 漸化式 中村 5. 2024/12/28(土) 数学的帰納法 中村
飯高 茂:いいたか・しげる 1942年千葉県生まれ。学習院大学理学部数学科教授を経て学習院大学名誉教授。 日本数学会彌永賞、日本学士院賞を受賞、また、元日本数学会理事長(会長)、日本数学教育学会理事などを歴任。 主な著書は、『群論、これはおもしろい』、『環論、これはおもしろい』、『体論、これはおもしろい』(共立出版)、『パソコンで開く数の不思議世界』(岩波書店)、「数学の研究をはじめようI,II,III,IV,V,Y,Z,VIII」(現代数学社 2016-23)ほか。
中村 滋:なかむら・しげる 東京海洋大学名誉教授 1943 年、戦時下の埼玉県に生まれ東京都で育つ。1967 年、東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。以来46年間、東京商船大学(現東京海洋大学)と学習院大学で数学を教える。東京海洋大学名誉教授。日本フィボナッチ協会副代表。著書は『フィボナッチ数の小宇宙』(日本評論社)、『微分積分学21講』(東京図書)、『数学の花束』(岩波書店)、『円錐曲線』(共立出版)、『円周率』(共立出版)、『数学史』(室井和男との共著、共立出版)、『数学史の小窓』(日本評論社)、『素数物語』(岩波書店)。
〈テキスト〉必要に応じて、教室で資料をお渡しします。
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