小説を映画監督はどのように読み取り、腑分けし、再構成し、キャスティングし、演出し、作品に命を与えたのか。 映画は文学をなぞっているわけではない。映画はどこまで文豪の意図を具現化し、肉薄し、時に越えたのか。 映画と文学の比較を皆さんと一緒に愉しみたいと思います。 10月期 10月10日 「伊豆の踊子」 川端康成vs野村芳太郎監督(主演美空ひばり、石浜朗) 11月14日 「炎上」 三島由紀夫vs市川崑監督(主演市川雷蔵) 12月12日 「浮雲」 林芙美子vs成瀬巳喜男監督(主演高峰秀子、森雅之) 1月期 1月9日 「濹東綺譚 」永井荷風vs豊田四郎監督(主演山本富士子、芥川比呂志) 2月13日 「砂の器」 松本清張vs野村芳太郎監督(主演丹波哲郎、加藤嘉) 3月13日 「夫婦善哉」 織田作之助vs豊田四郎監督(主演森繁久彌、淡島千景) __________________________________________
詳しく見る日本で開催される印象派展は多く、毎年、どこかで美術展が行われています。2024年度後半期は、一方では、印象派のリーダーともみなされ、長寿であったクロード・モネの作品の変容を、他方では、モネと同時期に描かれた他の画家の作品を見ることで、19世紀に古典的絵画が崩壊しつつ、新しい潮流がどのように出現してくるのかを、これまで取り上げることが少なかった画家を選び、モネの作品と比較しながら鑑賞します。同時並行で取り上げる画家は、モリゾ、スーラ、ミュシャ、シダネル、ユトリロ、ターナーです。 10月11日 [1872年 モネ「アルジャントゥイユのレガッタ」 モリゾ「ゆりかご」](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7426777) 11月8日 [1886年 モネ「ベル=イルの岩礁」 スーラ「グランドジャット島の日曜日の午後」](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7426778) 12月13日 [1896年 モネ「セーヌの朝」 ミュシャ「JOB社のたばこ」](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7426779) ※1回ずつの受講は、会員3,410円、一般3,960円です。
詳しく見る『エデンの東』と聞くと多くの方は、1955年にエリア・カザン監督、ジェームズ・ディーン主演で製作された映画を思い出すでしょう。ですがこの映画版、ジョン・スタインベックの原作小説(1952)の約三分の一をドラマ化したものです。長らく翻訳が入手困難だったこともあり、原作の長大な物語を読み通した経験のある方は少ないかもしれません。幸い2008年に出版された土屋正雄氏の新訳も、全4巻というボリュームにもかかわらず着実に版を重ね現在も入手可能です。これを機会に改めて『エデンの東』を読んでみませんか。 スタインベックのもうひとつの代表作『怒りの葡萄』(1939)と同じく、『エデンの東』は聖書やキリスト教に深く根付いた物語です。それと同時に、他の作品以上に作者の自伝的な要素が詰まった作品ともいわれています。この講座では3回にわたり『エデンの東』の物語を紹介しながら、作者の生涯やキリスト教や聖書とのつながりを中心に、スタインベックがこの物語に込めたものを解き明かしてみたいと思います。
詳しく見る587年7月に、大連物部守屋は、仏教信仰の受容や政権の主導権をめぐり対立する大臣蘇我馬子・聖徳太子らと最終決戦に臨みました。いわゆる蘇我・物部戦争ですが、当時14歳の聖徳太子は四天王像を造り誓願して参戦し、物部守屋は「稲城(イナキ)」を構えて防戦したと伝えられます。現在の大阪府八尾市にあったとされる守屋の館のあたりに築かれた「稲城」とは、どのようなものだったのでしょう。この講座では、これまで明らかではなかった物部守屋の「稲城」に注目して、その実態解明をすすめ、蘇我・物部戦争の真相に迫ります。 【スケジュール】 @10月7日 「稲城」は古代の戦乱に築かれる A11月4日(祝) 「稲城」の実像をとく B12月2日 物部守屋の稲城と聖徳太子の四天王
詳しく見る「いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経」(2022年刊)「読み解き般若心経」(2013年刊)を読んでくださっていることを前提に話をしていきます。 昔は若く、今は老いつつあります。仕事に家庭、離婚に恋愛、日本を離れ、日米を往復し、両親を看取り、娘と闘い、植物にハマり、犬と暮らし、更年期を全うし、鴎外を読み、夫の死を見届けながら、ただの詩人として、信仰とか関係なしに、お経を読み始めました。そしたらそこに詩がありました。それで現代語訳を始めて、今にいたります。 印象に残るお経、母、父、夫の介護をしてきたときに心の支えになったお経、悩みがつきない人のためのお経も朗読します。また人生相談も20年来しておりますので、お答えしたいと思います。 ただあれから時が経ち、状況も環境もかわり、考えることも少し違ってきましたけど。(講師・記) 写真・撮影:吉原洋一
詳しく見る本講座は『紫式部日記』の後半を読みながら、紫式部にとって宮廷生活とはいかなるものであったか、『枕草子』と比較して読み解きながら、『源氏物語』の豪華本作成など、その成立や流布の謎にも迫っていきます。『紫式部日記絵巻』やその他の図版についても詳しく解説いたします。途中からの受講も可能です。(講師・記) 画像は、『紫式部日記絵巻断簡』(東京国立博物館、出典:ColBase) 【今期のテーマ(予定)】 @土御門邸行幸から五節・臨時祭まで A寛弘六年の正月行事と消息文について B里居の述懐から敦良親王の五十日の祝いまで 【前期7-9月のテーマ】 @冒頭から敦成親王誕生まで A産養から土御門邸行幸まで B五十日の祝いから内裏帰還まで
詳しく見る「源氏物語」を「お香」と共に味わう「直心流の源氏香講座」がカジュアルになりました。 この講座では源氏物語の原文を抜粋したテキストを基に、1月〜11月まで毎月一帖ずつ解説いたします。 そして十二月には「源氏香」と呼ばれる香道の遊びを行い、源氏物語をお香と共に味わっていただきます。 初めての方にも分かりやすくお話いたしますので、源氏物語に興味がある方、良い香りを楽しみたい方、お気軽に受講していただけましたら幸いに存じます 1月:桐壺巻 2月:帚木巻 3月:空蝉巻 4月:夕顔巻 5月:若紫巻 6月:末摘花巻 7月:紅葉賀巻 8月:花宴巻 9月:葵巻 10月:賢木巻 11月:花散里巻 12月:源氏香
詳しく見る新型コロナから日常生活が正常化した以降、私たちを取り巻くお金周りの環境は一変しました。物価が上昇していることから家計は節約を強いられています。公的年金が物価の上昇率以上に増加することが難しいことから、節約に励むのも致し方ないのかもしれません。 将来を見据えれば節約は正しい選択になりますが、5年後、10年後も今と同じように体を動かすことができるでしょうか。健康年齢を考えると70代を過ぎれば、徐々に動ける範囲が狭まっていくことが多いようです。このため大病を患わなければ歳を重ねるほど使うお金は減少していくのです。 今しか出来ないことを我慢してまで節約することが本当に正しいのでしょうか?お金は使ってこそ生きてくるのです。シニア世代のお金との関わり方を相続なども含めて解説していくことにしましょう。(講師・記) ※シリーズ講座「人生100年時代を生きる」。いま抱いている老後の不安を少しでも解消し、これから迎える生活がより充実した時間となるような講座を提案。
詳しく見る2009年より『群像』誌上で連載しており、現在も継続中の「〈世界史〉の哲学」は、私のライフワークです。現在まで、以下が、講談社より単行本として出版されています。 『〈世界史〉の哲学 古代篇』* (10月3日) 『中世篇』* (11月7日) 『東洋篇』* (12月26日) 『イスラーム篇』* 『近世篇』 『近代篇1 〈主体〉の誕生』 『近代篇2 資本主義の父殺し』 『現代篇1 精神分析からファシズムへ』 『現代篇2 アメリカ』近刊 *が付いている巻に関しては、文芸文庫版もあり。 この講座では、毎回、一巻ずつをとりあげ、その巻のモチーフ、あるいはその巻の中心的な章について論じます(カッコ内の日付が、その巻の講義予定日。日付が入っていない巻については、未定)。 September 06, 2024 講師・記
詳しく見る誰ともなかなか打ち解けられない、ついつい自分の殻に引きこもってしまう。そんな人は案外多いのではないでしょうか?世の中では、社交的で、友達も多く活発な人の方が評価されているように見えます。確かにそんな外交的な人は、生きていく上で多くのメリットがあるでしょう。 とはいえ、内向的な人が決してデメリットであるとは限りません。いえ、ある意味内向的であることはアナタに与えられた「ギフト」であるといってもいいのです。内向的だからといって、自分をネガティブに捉える必要など全くありません。この講座を聞けば、その理由がわかるでしょう。(講師:記) 【お悩み投稿】 ・講師へのご質問(お悩み)は[こちら](https://forms.gle/NcBBestPVTTn44Sn6)からお寄せください。 投稿締切:9月27日(金) ・講義終盤に講師からお答えします。時間の都合上、全てのご質問にお答えできない場合もございます。 また、個人的な治療の相談は受けられません。予めご了承ください。 【書籍販売・サイン会のご案内】 ・本講座は、精神科医Tomy著[『内向的な人の幸福戦略』](https://publications.asahi.com/product/24971.html)(2024年、朝日新聞出版)の刊行記念講座です。 ・講座当日、教室では書籍の販売とサイン会を予定しております。
詳しく見るバブル経済の終わりから現在に至る時代は「失われた30年」とよばれ、失われた状態がいつまで続くかわからない状態である。しかし、日本の戦後史を俯瞰すると、1970年代の石油ショックによる高度経済成長の終わり以来、日本人は失われた50年を生きているという方が正確だろう。他方、高度成長が終わった時から、日本の経済、社会モデルの刷新について多くの学者や官僚が様々な議論を展開し、オルタナティブを追求する動きは存在した。こうした論争の歴史を振り返り、実現できなかった提言から日本の未来を切り開くための知恵を掘り起こす作業を試みたい。 (講師・記/2024年10月〜全2期・6講予定) 〈10月期のテーマ〉 1 高度成長の終わりをどう迎えたか 1970年代の石油危機は戦後日本の高度経済成長を終わらせた。この衝撃をどう受け止め、ポスト高度成長の経済社会のモデルをどう描いたか。1970年代の政策構想をめぐる保守派、リベラル派の議論を振り返る。 2 第二次臨調行革の思想 1980年代の第二次臨時行政調査会による行政改革はその後の日本の行政や経済の形を規定した大きな政策転換を実現した。この時代の行政改革を導いた政策思想を振り返り、その限界を明らかにする。 3 バブルの絶頂から見た未来 1980年代後半は、日本が好況に沸いた最後の時代であった。貿易黒字の蓄積と個人の生活の貧しさというギャップをどのように克服するかという課題について、当時の学者やエコノミストがどう考え、その後の政策にどのような影響を与えたか考察する。 〈後期のテーマ〉 4 新自由主義的構造改革の思想と実態 1990年代後半から2000年代にかけて展開された新自由主義的構造改革について、その思想と政策展開について振り返る。また、小泉純一郎政権の構造改革になぜ熱狂的な支持が集まったのか、その政治的背景を明らかにする。 5 民主党政権の挑戦と挫折 2009年の民主党政権は、「国民の生活が第一」というスローガンのもとでどのような社会経済モデルを実現しようとし、なぜ挫折したのかを明らかにする。未完の改革の中にはいま再び追求すべきものがあることを強調したい。 6 アベノミクスの罪 2013年から始まったいわゆるアベノミクスの意味と帰結について考える。さらに、今の日本が直面する政策課題についてどのように取り組むべきかを論じたい。 <参考文献> 山口二郎・著『日本はどこで道を誤ったのか』(集英社インターナショナル新書、2024年)
詳しく見る