大河ドラマ「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎らが活躍した天明・寛政期、江戸の豊かな町人が文化の華やぎを謳歌していた陰で、江戸の庶民世界や地方ではどのようなことが起こっていたのでしょうか。江戸時代260年の推移を段階ごとにとらえてみると、この時期は、社会が大きな曲がり角を迎え、各種の課題に直面する時期と位置づけられます。経済的強者の台頭と貧富の格差の拡大、天災による苦しみ、既存の政治に異議を唱える百姓たち、ドラマにはなかなか現れてこない、社会の実態に迫ります。(講師・記) 【カリキュラム】 第1回 18世紀後期、江戸の豪商と幕府 江戸の経済状況を概観し、勘定所御用達の登用・町会所制度創設の意味などについて考えます。 第2回 天明浅間山噴火と関東地方における影響 火山灰によっておこった経済的な影響や、荒廃農村が発生していくまでの過程をたどります。 第3回 武士にNOを突き付ける人々:騒動・打ちこわしと改革政策 江戸の打ちこわし・飛騨幕領で発生した大原騒動などの事例から、この時期に民衆の不満が爆発した背景と為政者の対応を探ります。 【広報画像】 @歌川広重《江戸高名会亭尽 芝明神社内》(国立国会図書館デジタルコレクション) A歌川広重《東海道五拾三次 鳴海・名物有松絞》(国立国会図書館デジタルコレクションより) B浅間山焼(国立公文書館デジタルアーカイブより)
詳しく見る古代地中海世界を舞台に、一神教は周囲の人々にどのようなインパクトを与えたのか。 この視点で古代ローマ宗教史やイスラム教成立史の研究成果を見ると、ある共通理解があることがわかります。 一神教と見なされているのは、ユダヤ・キリスト教でした。両者は互いの違いを明確に意識したとしても、周囲の人たちには、この二つの共同体はとても似ていて見分けがつかなかった。では、この歴史をどう描けばよいのでしょうか。 ユダヤ社会から二つの一神教共同体がどのように分離し、成立したかを、新たな視点で見直していきましょう。(講師・記) <カリキュラム>*都合により変更する場合があります。ご了承ください。 1. 総論:新たな視点からイエス時代の一神教を考える 2.ユダヤ教共同体の成立とヘレニズムの衝撃 3.パリサイ派による律法主義の考え方の登場 【7月期以降】 4.死海写本「教団規則」と贖罪の世界観 5.ローマの地中海支配とヘロデ王 6.ナザレ人イエスとは何者か: 7.エルサレム神殿の過越祭と最後の晩餐 8.ユダヤ教はいつ神殿供儀の宗教から離脱したか 9.ローマ5賢帝の平和の中のユダヤ戦争 10.危機は賢者を生む:ラビによる口伝トーラーの編纂: 11.新約聖書の成立と多様なキリスト教共同体の形成 12.エピローグ:世界のパラダイム転換:宗教共同体の国教化
詳しく見る2025年は第二次世界大戦の終結から80年である。あの戦争を最年少の兵士として戦った人々の大半が鬼籍に入った。日本は戦後80年のあいだ平和を享受してきたが、世界ではその間、無数の紛争が生起して多くの血が流されてきた。そしてその状況は過去形にはなっていない。本講義ではジョン・ストウシンガーの古典的著作『なぜ国々は戦争をするのか』上下巻(国書刊行会2015)を手がかりに、20世紀の戦争・紛争を考察する。 教科書は指定せず講義は講師が作成する教材を基に行うが、参考文献として受講者はストウシンガーの上記書に目を通しておくことが望ましい。(講師:記) <今期の予定> 第1期(2025年4〜6月) 1 帝国主義下のアジアの戦争:日清戦争/米西戦争/日露戦争 2 経済とテクノロジーのグローバル戦争:第1次世界大戦 3 イデオロギーと政治体制をめぐる戦争:スペイン内戦/独ソ戦/国共内戦 画像:日露戦争(旅順要塞を砲撃する28サンチ砲) <今後の予定> 第2期(2025年7〜9月) 4 ヨーロッパ発のグローバル戦争:第2次世界大戦(ヨーロッパ) 5 アジア発のグローバル戦争:第2次世界大戦(アジア・太平洋) 6 冷戦下の国際内戦:朝鮮戦争 第3期(2025年10〜12月) 7 帝国主義・シオニズム・ナショナリズム:第1〜4次中東戦争 8 インド亜大陸をめぐる戦争:第1〜3次インド・パキスタン戦争 9 ドミノ理論の誤算:ベトナム戦争 第4期(2026年1〜3月) 10 帝国の負債:スエズ戦争/フォークランド戦争 アルジェリア戦争/インドシナ戦争 11 ソヴィエト帝国の負債:ユーゴスラヴィア内戦 コーカサス紛争 ウクライナ戦争 12 21世紀の戦争:湾岸戦争 アフガニスタン イラク ガザ 註:講義は1年通年でも、1期ごとでも登録・受講可能。 各サイクル(3回)内で扱う戦争の順番は変更する可能性がある。 <参考文献> ジョン・G・ストウシンガー著、等松春夫監訳[『なぜ国々は戦争をするのか』](https://www.kokusho.co.jp/np/result.html?writer_id=20534)上下巻(国書刊行会2015) <講師詳細> 等松 春夫:1962年米国パサデナ市生。防衛大学校国際関係学科教授。専門は政治外交史・比較戦争史。筑波大学、早稲田大学を経て1991〜97年に英国留学。オックスフォード大学博士(政治学・国際関係論)。2011年にNATO国防大学で研修、ディプロマ取得。著書『日本帝国と委任統治』(名古屋大学出版会2011)、訳書『なぜ国々は戦争をするのか』(国書刊行会2015)、『大いなる聖戦:第二次世界大戦全史』(国書刊行会、2018)、共著書『日英交流史3〈軍事〉』(東京大学出版会、2001)、『日中戦争の軍事的展開』(慶應義塾大学出版会、2006)、『昭和史講義1・2』(筑摩書房、2015、2016)、Pearl Harbor (Cassell, 2001)、A Gathering Darkness (Scholarly Resources, 2004), Imperialism on Trial (Lexington Books, 2006), Russo Japanese War in Global Perspective (Brill, 2007), History Textbooks and the Wars in Asia (Routledge, 2011), Maritime Strategy and National Security in Japan and Britain (Brill, 2012), Spain 1936: Year Zero (Liverpool University Press, 2018), East Asians in the League of Nations (Palgrave Macmillan, 2023 )他多数。
詳しく見る今、世界や日本を取り巻く様々な話題、事象を取り上げて、2人の識者が語り合います。当日、話してほしいトピックについて、参加者の皆様から事前にメールでリクエストを募ります。全てのご提案に対応することは難しいですが、多くの方からご希望のあったトピックは、特に優先して取り上げる予定です。 ◎御厨 貴先生からのメッセージ 「政治家とは不可思議な存在です。全盛期を過ぎた政治家には、妙な人間としての味わいがあります。それを画面一杯に映し出す面白い番組「時事放談」を毎週日曜日朝、担当してました。TBSで2007年4月〜2018年9月までの11年6ケ月でした。その経験を活かして、旧知の島田裕巳さんと、楽しいひとときを過ごすことになりました。どうぞ奮ってご参加くださいませ。『ジジイ放談』!」 ◎島田裕巳先生からのメッセージ 「都議選、参議院選挙と大型選挙が控えています。先の総選挙で生まれた与党と野党が拮抗する状況のなかでの選挙ですから、その重要性はいつにも増して大きなものがあります。果たしてその行方はいかに。とくに創価学会が組織した公明党にとって都議選は、もっとも重要な選挙と位置付けられてきました。面子がかかった戦いとも言えます。党勢の衰えが指摘している公明党が、ここで挽回策を示せるのか。それがまた参院選にも大きな影響を与えそうです。そのあたり、今後の選挙を見据えて、今の政治について語れればと思います。」
詳しく見るモネ、ルノワール、シスレー、ドガらは「印象派」として知られます。19世紀のフランスで活躍した印象派の画家たちは、自然のなかの光や色を注意深く観察し、それらをカンヴァスに描きとめようとして、新しい絵画を生み出しました。その新しさは、彼らが生きた時代を知ることや、同時代の他の画家たちの作品と比べることでより一層明確になります。一見するとわかりやすそうな印象派絵画にも複雑な背景があり、読み解いていく楽しみがあります。この講座では、そのような制作背景をたどりながら、印象派絵画の見方や楽しみ方を学びます。(講師:記) ### 各回のテーマ 第1回 印象派の風景画—モネ、ピサロ、シスレー 第2回 印象派の人物画—ルノワール、ドガ、モリゾ ### 画像クレジット クロード・モネ《黄昏、ヴェネツィア》 1908年頃、油彩・カンヴァス、73.0×92.5cm、石橋財団アーティゾン美術館蔵
詳しく見る生まれた次の瞬間に消えてしまう音楽を書き残したい。そう思った先人たちの努力の結晶が楽譜です。 楽譜とひとことで言っても、そこに含まれる情報はさまざま。時代や地域、作曲家によって異なります。 それぞれの時代の楽譜と音楽について、@理論編(楽譜の特徴やその読み方)、A和声編(音楽の特徴や内容に対する理解)、B実践編(ソルフェージュ)の三本柱でアプローチします。実践に役立てるための楽譜の読み方のヒントになる、かもしれません。(講師・記/25年4月から1年全12講予定) 〈スケジュール〉 春「バロック時代の楽譜のひみつ」バロック時代とそれ以前の楽譜についてひもときます。 4月 理論編 5月 和声編 6月 実践編 〈今後の予定〉 夏 「古典派の楽譜のひみつ」 7月 理論編 8月 和声編 9月 実践編 秋 「ロマン派の楽譜のひみつ」 10月 理論編 11月 和声編 12月 実践編 冬 「近現代の楽譜のひみつ」 1月 理論編 2月 和声編 3月 実践編
詳しく見る東京都美術館では、2025年3月1日(土)から7月6日(日)まで「ミロ展」を開催します。1893年にスペインのカタルーニャ州で生まれた20世紀を代表する巨匠ジュアン・ミロ(1893〜1983)。太陽や星、月など自然の中にある形を象徴的な記号に変えて描いた、詩情あふれる独特な画風は日本でも高い人気を誇ります。本展では〈星座〉シリーズをはじめ、初期から晩年までの代表作が集結。ミロの芸術の真髄を体感できる空前の大回顧展となっています。この講座では、展覧会の見どころや、出品作品について解説します。 (講師・記) 画像:《カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち》1940年 水彩、グアッシュ/厚い水彩用網目紙 フィラデルフィア美術館 Philadelphia Museum of Art: The Louis E. Stern Collection, 1963-181-46Successió Miró Archive © Successió Miró / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2025 E5746 〈展覧会情報〉[ミロ展公式サイト](https://miro2025.exhibit.jp/) 会 期 2025年3月1日(土)〜7月6日(日) ※詳細は公式サイトにてご確認ください。 会 場 東京都美術館 〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
詳しく見る【天野先生の気功講座・特別版】 目も体も、楽々スッキリ! 今年もやってきます!京都から新宿へ、ゆるみの風が。 気功の「いろは」を学びながら、身体を充分にリラックスさせ、目の疲れを抜いて、心を休める特別講座です。 スマホやパソコンの急激な普及で「目の疲れ」が慢性化し、肩こりや、不眠、不安、心労、咳や浅い呼吸、生理痛や生理不順、不妊や不育がとても増えています。目は子宮との繋がりが深いので、特に女性の健康にとって目はとても大切。ところが、手軽にできる目のケアは意外と知られていません。 今回は、講師が創った新作「目の気功」と、禅密気功の「眼の気功」(劉漢文 作)、2つの気功を中心にした1日講座です。第一部、二部と続けて受講することで、より深い目のリラックスを体感していただけるでしょう。 第一部 【気功入門 @】かんたん「目の気功」…簡単気功で疲れが抜けて、視力・眠り・呼吸が変わる。 たった5分、日々続けることで目が楽になり、気持ちも、体もほがらかに。新作「かんたん・目の気功」のやさしい動作を、わかりやすく解説&じっくり体験。初夏の健康作りにぴったりな「肝心のてあて」や、体ほぐしと合わせて。 ◆参考図書◆ 『気功入門 からだの自然が目を覚ます』 『季節をめぐる気功』(共に春秋社) 『はじめての気功 楽になるレッスン』(ちくま文庫) ※当日14時30分〜@を受講された方の継続クラス【気功入門 A】 禅密気功の初歩と「眼の気功」クラスがございます。[【気功入門 A】 禅密気功の初歩と「眼の気功」クラスお申し込みはこちらから](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7968962&p=39f0a43eb2595b991680eac4e37fd20e628dbde704c9ca1c4c227b492db86105)
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