社会学者・見田宗介/秘教家・真木悠介が逝って4年。この多像的な思想家がのこしたヴィジョンの現代性と未来への可能性を、自発的な生のコミューン(共同体)を失いかけた私たちの世界でいかに引き継いでゆくかがいま問われています。とりわけ「真木悠介」という思想的「希求」のヴィジョンは、学問的な枠組を超えて、私たちの生と死をめぐる「倫理」と「道理」の探究のあらたな道筋を照らし出す力を持っています。「生命」の気流の鳴動を内なる耳で聴こうとするこの独創的なヴィジョンは、自らを隠すエソテリックでオカルト的(秘教的)な傾向を持っているので、その隠された叡知とふたたび出逢うには、未知の飛躍的な「発見」と「啓示」の時が必要です。 本講では、『気流の鳴る音』(ちくま学芸文庫)『宮沢賢治 存在の祭りの中へ』(岩波現代文庫)『うつくしい道をしずかに歩く』(河出書房新社)などの著作を取り上げながら、カルロス・カスタネダ、宮沢賢治、石牟礼道子、山尾三省らに託して探究された「コミューン」の交響する姿を、未来に向けてあらたに展望したいと思います。(講師・記)
今福 龍太:いまふく・りゅうた 文化人類学者・批評家。奄美自由大学主宰。詩誌『KANA』同人。著書に『ミニマ・グラシア』『薄墨色の文法』(岩波書店)『レヴィ=ストロース 夜と音楽』、『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(みすず書房)『宮沢賢治 デクノボーの叡智』(新潮選書)『ぼくの昆虫学の先生たちへ』(筑摩書房)など多数。主著『クレオール主義』『群島-世界論』を含む著作集《パルティータ》(全五巻、水声社)が2018年に完結。
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