この講座では、近世神道について取り上げます。仏教との習合が中心だった中世神道に対し、近世神道は儒教との結びつきを強めます。その影響で神道を道徳的な教えとする理解が広まりました。さらに18世紀に入ると、仏教はもとより儒教すらも排除した日本固有の〈道〉への模索が、国学者たちによって行われるようになります。このような中で、民間の在地的信仰を土台にしていた神道は、天皇を中心とする国家神学へと再編され、近代の神道、すなわち現代の我々が知っている神道のかたちができあがっていったのでした。本講座では、大きく変貌していく近世神道の信仰と思想の流れをたどりたいと思います。(講師・記) ■2026年4〜6月期(終了) 第1回 4月 仏教からの離陸(テイクオフ)―中近世移行期の神道 第2回 5月 倫理道徳としての神道―儒者と儒家神道 第3回 6月 仏教嫌いの人たち―排仏思想と三教一致 ■2026年7〜9月期 第4回 7月 〈すばらしき国〉日本―垂加神道と天皇 第5回 8月 神とは人也―神話と歴史 第6回 9月 神となるご先祖さま―鬼神論と人神信仰 ■2026年10〜12月期 第7回 10月 思想化する古典研究―和学から国学へ 第8回 11月 日本固有の〈道〉を探して―本居宣長と『古事記伝』 第9回 12月 肥大化する〈神代〉イメージ―平田篤胤と復古神道 ■2027年1〜3月期 第10回 1月 歴史研究から国家神学へ―水戸学と国体論 第11回 2月 神武天皇陵は何処にある?―好古家と天皇陵 第12回 3月 近代神道への道―神道〈国教〉化と神仏分離
伊藤 聡:岐阜県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(文学)。茨城大学人文社会科学部教授。専門は日本思想史、特に中世神道、神仏習合思想。主な著書に『中世天照大神信仰の研究』法藏館 2011(第34回角川源義賞)、『神道の形成と中世神話』吉川弘文館 2016、『神道の中世―伊勢神宮・吉田神道・中世日本紀』中公選書 2020、『日本像の起源―つくられる〈日本的なるもの〉』角川選書 2021、『神道とは何か―神と仏の日本史 増補版』中公新書 2025がある。
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