### 本講座は、第1部と第2部からなる講座です。 第1部は13:30〜15:00、第2部は15:15〜16:45です。途中に15分間の休憩を設けております。 ### 第1部 「スマホ漬け社会」を生きる私たち ―― ログデータが映し出す心の癖とデザイン 私たちは1日にどれくらいスマホを使っているでしょうか。実は、平均5〜6時間、100回以上もアプリを切り替えているという実態が、数千万件規模のログデータ分析から見えてきます、 第1部では、こうした「スマホ漬け社会」の実像を示したうえで、通知やスワイプが習慣を生み出す「フックモデル」など、アプリやプラットフォームが私たちのココロの癖を利用する仕組みを解説します。 そのうえで、「スマホ依存」という言葉に振り回されるのではなく、不安や退屈、つながりへの気持ちと丁寧に向き合い、スマホとの「対話的関係性」を築くための視点を提案します。 **** ### 第2部 「ネット世論」の見えざる構造 ―― 道徳心理・ハイプマシン・二重バイアス 「ネットは分断されている」—そう感じたことはないでしょうか。第2部では、その印象の背後にある仕組みを、進化論的な「道徳心理」から読み解きます。公正さを守ろうとする正義感や仲間意識は、SNSのアルゴリズム=「ハイプ・マシン」に学習され、怒りや対立を招く投稿を優先的に可視化します。ワクチン不妊デマの拡散事例を通じて、ネット世論が「二分法バイアス」と「管中窺天(かんちゅうきてん)」により実態以上に極化して見える「二重バイアス構造」を解説します。さらに、多様で曖昧な中間の声を見失わないための、AI時代のリテラシーを提案します。
木村 忠正:立教大学社会学部教授。専門は科学技術社会論、メディアコミュニケーション論、ネットワーク・AI社会論。東京大学大学院総合文化研究科、ニューヨーク州立大学大学院バッファロー校にて文化人類学を専攻。Ph.D.。早稲田大学、東京大学などを経て現職。著書に『デジタルデバイドとは何か』(岩波書店)、『ネット世論の構造』(新曜社)などがある。
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