『ニュームーンのエミリー』はモンゴメリの実像が色濃く投影された傑作ですが、その真価は『赤毛のアン』の人気の陰に埋没してきました。しかし1985 年に作者の膨大な「日記」が公開され始めると、『エミリー』は100 年の眠りから目覚めたかのように輝き始めました。作品の最後の一文「これからは日記を書く。死後に出版されるかもしれないから」には、自身の「日記」とともに『エミリー』を読んでほしいという作者の密かな願いが込められています。未来の読者へのメッセージを汲み取りながら、『エミリー』とその続編の魅力に迫ります。(講師・記)
桂 宥子:岡山県立大学名誉教授。専門は英語圏児童文学及び建国期のカナダ文学。著書に『アリス紀行』(東京図書)、『L.M. モンゴメリ』(KTC中央出版)等、訳書に『モンゴメリ日記』(立風書房)、『レッド・フォックス』(福音館書店)ほか多数。
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