フーコーの主要な著作は、ほとんど歴史的な流れを記述するというスタイルをとっています。初期の『狂気の歴史』からして、まさにタイトル通り「歴史」であり、「パン」のように売れたと言われる『言葉と物』も、さらには1970年代の『監獄の誕生』だけでなく晩年まで続く『性の歴史』も、すべからく「歴史」を描いています。ところが、フーコーは「歴史家」として取り扱われるよりも、むしろ「哲学者」と見なされています。はたして、フーコーの著作をどう読めばいいのでしょうか?もしかしたら、「歴史によって混乱と無秩序へもたらされた哲学であり、また哲学によって破壊へともたらされた歴史」なのかもしれません。この機会に、あらためてフーコーを読み直したいと思います。(講師・記)
岡本 裕一朗:おかもと・ゆういちろう 玉川大学名誉教授 1954年福岡県生まれ。九州大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。九州大学文学部助手を経て、現在、玉川大学文学部名誉教授。専攻は哲学・倫理学。 著書に、『ネオ・プラグマティズムとは何か―ポスト分析哲学の新展開』『ヘーゲルと現代 思想の臨界』『ポストモダンの思想的根拠』『異議あり!生命・環境倫理学』(すべてナカニシヤ出版)、『12歳からの現代思想』(ちくま新書)、『モノ・ サピエンス』(光文社新書)、『ヘーゲル入門』(共著・河出書房新社)、『フシギなくらい見えてくる!本当にわかる現代思想』(日本実業出版社)、『フランス現代思想史』(中公新書)、『いま世界の哲学者が考えていること』(ダイヤモンド社)、『ほんとうの「哲学」の話をしよう』(中央公論新社)など多数。
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