明治時代に伝説といわれた出版社をご存じでしょうか?地方から、何の元手もなく上京した初老の創業者が旗あげすると、瞬く間に大企業へと成長し、現在の東京堂書店や共同印刷、博報堂のルーツにもなるコンツェルンへと飛躍をとげます。樋口一葉や泉鏡花、江戸川乱歩、岡本綺堂らを世に出し、様々な趣味雑誌や『広辞苑』のもととなる辞書も手がけると、文豪も通った図書館や日記文化の定着にも貢献し〈文化王国〉となりました。現代日本に通ずるダイナミックな知の源流に、近代出版誕生の舞台裏をご覧いただければと思います。 <各回のテーマ> ■第1回:文豪たちの知的好奇心:たくわえられた知識からベストセラー本が生まれるまで (尾崎紅葉、泉鏡花、樋口一葉、巌谷小波、岡本綺堂、江戸川乱歩) ■第2回:出版業界の裏側と、博文館が広めた日本の文化意識 (東京堂書店、博報堂、共同印刷、広辞苑、博文館ダイアリー、私設図書館)
堀 啓子:(ほり・けいこ) 慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、現在、東海大学文化社会学部教授。2000年に尾崎紅葉の『金色夜叉』に英語の原作があることを発見し、『読売新聞』の一面ほか各メディアで報道される。近年はNHK―BSの『文豪温泉U』(尾崎紅葉枠)でもナビゲーターを務めた。著書に『日本ミステリー小説史』『日本近代文学入門』(共に中公新書)など。
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