「分断の時代だから、もっと対話を」——そんな言葉を耳にする機会が増えました。 けれども実際には、「対話」は多くのエネルギーを要する営みです。他者の言葉に耳を傾けることで、自分の価値観がゆらぐこともあり、また、自分の言葉を差し出すことに不安やためらいを感じることもあるかと思います。 「言葉」という場で対話することによって、私たちは他者と、自分自身と、どう向き合えるのか。「問い」を持つことで自分や他者にどんな影響があるのか。 本対談では、プラトンやソクラテス以来の対話の試みや現代における哲学対話の実践などを手がかりに、「対話」という営みについて、そしてこれからの「対話」の可能性について、納富信留さん、永井玲衣さんと一緒に考えます。
納富 信留:のうとみ・のぶる 東京大学教授。1965年東京生まれ。90年東京大学大学院文学研究科修士課程修了、95年ケンブリッジ大学古典学部Ph.D.取得。九州大学、慶應義塾大学文学部を経て、現職。著書に『ソフィストと哲学者の間』(名古屋大学出版会)、『哲学の誕生』(ちくま学芸文庫)、『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『新版 プラトン 理想国の現在』(ちくま学芸文庫)、『プラトンとの哲学』(岩波新書)、『ギリシア哲学史』(筑摩書房、和辻哲郎文化賞)、『西洋哲学の根源』(放送大学教材)、『対話の技法』(笠間書院)、訳書にプラトン『ソクラテスの弁明』『パイドン』(光文社古典新訳文庫)などがある。2024年紫綬褒章受章。
永井 玲衣:ながい・れい 哲学者・作家。1991年東京都生まれ。人びとと考えあい、ききあう場を各地でひらいている。問いを深める哲学対話や、政治社会について語り出してみる「おずおずダイアログ」、せんそうについて表現を通して対話する写真家・八木咲とのユニット「せんそうってプロジェクト」、Gotch主催のムーブメント「D2021」などでも活動。著書に『水中の哲学者たち』『世界の適切な保存』『さみしくてごめん』がある。第17回「わたくし、つまりNoBody賞」受賞。詩と植物園と念入りな散歩が好き。
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