高市政権の掲げる「責任ある積極財政」とは、インフレ下でも経済成長のために財政を拡張していく「積極財政」と、財政健全化のために財政規律を悪化させない「責任」とを、両立させることを意味しているようです。確かに、こうした夢物語は、インフレを加速させてしまえば、税収は増加し、政府債務も無意味となり、現実化するかもしれません。しかし、それはインフレという国民生活にとって、最悪の負担で可能となることを意味しています。 この講義では、高市政権の「責任ある積極財政」を、私たち国民の生活がどうなるのかという視点から考え、私たちの未来の生活を構想したいと思っています。(講師・記)
神野 直彦:じんの・なおひこ 東京大学名誉教授 1946年埼玉県生まれ。東京大学経済学部卒業後、日産自動車株式会社を経て、 同大学大学院経済学研究科博士課程修了。大阪市立大学助教授、東京大学助教授、教授、関西学院大学大学院教授、日本社会事業大学学長を経て、東京大学名誉教授。専攻は財政学・地方財政論。著書に『システム改革の政治経済学』、『人間回復の経済学』、『教育再生の条件−経済学的考察』(岩波書店)、『財政のしくみがわかる本』(岩波ジュニア新書)、『地域再生の経済学』(中央公論新社)、『財政学』(有斐閣)、『税金常識のウソ』(文春新書)、『「人間国家」への改革』(NHK出版)などがある。
参考図書: 『財政と民主主義-人間が信頼し合える社会へ』(岩波新書 ISBN:9784004320074)
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