ヘーゲル哲学が現在、アメリカを中心とした哲学界で注目を集めていますが、そうしたなかであらためて重要なことは、ヘーゲル哲学というすでに古典となっている哲学を、きちんと掌握することであろうと思います。ついては本講座においては、こうした古典哲学としてのヘーゲル哲学を包括的に取り上げ、ヘーゲル哲学の重要箇所をとりまとめたものを皆さんとともに講読いたします。テクストは、廣松渉編『世界の思想家 12 ヘーゲル』(平凡社)で、ここに収録されたヘーゲル自身の論議を、丁寧に読み進めます(テクストは毎回プリントでも配布いたします)。今期は「ヘーゲル哲学という古典」と題しました本講座の最終回となりますが、購読箇所は、ヘーゲルの歴史に関する論述です。ヘーゲルにとって「歴史」とは、このうえなく重要な論点です。といいますのも、「自由」と「必然性」の一致こそが、ヘーゲル哲学にとっての最重要の観点であるわけですが、歴史においてこの一致が、明瞭に見て取れるからなのです。(講師・記) **各回の予定** 1. 「V 歴史と摂理」「第一節 自由の実現」 2. 「V 歴史と摂理」「第二節 理性の狡知」 3. 「V 歴史と摂理」「第三節 神との融和」「第一項 宗教の本質」 4. 「V 歴史と摂理」「第三節 神との融和」「第二項 教団と世界」 5. 「V 歴史と摂理」「第三節 神との融和」「第三項 精神の完現」
山 守:たかやま・まもる 1948年東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科単位取得退学。2013年3月まで東京大学教授。現在東京大学名誉教授。日本ヘーゲル学会元代表理事。カントからヘーゲルに至るドイツ近代哲学が主要な研究領域だが、近年は、手話言語を哲学的な論議に導入することを目論んでいる。著書は、『ヘーゲルを読む−自由に生きるために−』(左右社)『ヘーゲル哲学と無の論理』(東京大学出版会)、『因果論の超克−自由の成立に向けて−』(東京大学出版会)、『自由論の構築−自分自身を生きるために−』(東京大学出版会)など。
<参考図書> 廣松渉編『世界の思想家 12 ヘーゲル』(平凡社) ※テクストは毎回プリントでも配布いたします
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