いま政治的な観点からベネズエラやキューバ、パナマといった環カリブ海の国々の名がしばしば報道を賑わせています。そこには不穏な空気も感じられます。ヨーロッパの植民地から脱したのちも、アメリカという大国の足下で不当な支配を受けつづけてきた環カリブ海地域。けれどそこに生きる人々の声や音楽や文学による創造のエネルギー、その今日性は際立っています。 カリブ海の文化・芸術世界における独創的な表現者たちは、現代資本主義が陥っている搾取と差別の窮地を乗り越える希望すら指し示しています。エメ・セゼール、エドゥアール・グリッサン、デレク・ウォルコット、ウィフレード・ラム、ヴィクトル・アニセ、カリ、マラヴォワ、マリカ・ティロリアン......。 本講座では、大きな歴史的射程とより細部への注視とをもって「環カリブ海」の豊かさと新たな可能性について考え、じっさいにその世界を目と耳を通じて旅してみましょう。海と島々の新しい風景のなかへ! (1)口承 群島のはじまりは「声」による物語だった (2)律動 カリブ海音楽における歌とダンス (3)叫び カリブ海詩人たちの混淆するクレオール文学
今福 龍太:いまふく・りゅうた 文化人類学者・批評家。奄美自由大学主宰。詩誌『KANA』同人。著書に『ミニマ・グラシア』『薄墨色の文法』(岩波書店)『レヴィ=ストロース 夜と音楽』、『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(みすず書房)『宮沢賢治 デクノボーの叡智』(新潮選書)『ぼくの昆虫学の先生たちへ』(筑摩書房)など多数。主著『クレオール主義』『群島-世界論』を含む著作集《パルティータ》(全五巻、水声社)が2018年に完結。
・日程を7/4から7/25に変更しております。 ・教室でもオンライン(Vimeo使用)でも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。リアルタイム配信はございません。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。