チェコの首都「プラハ」の国立博物館には、古代にこの地で「ケルト」文化が花開いていたことをしるす「神の像」が所蔵されています。それはフランスやドイツにも出土する古代ケルト美術のシンボルである金銀の「首環=トルク」をまとった像で、世界的に知られています。 またチェコを代表する装飾家で画家のミュシャは、「ケルト美術」の『ケルズの書』の文様を引用してポスターを描いたことで知られています。 更にプラハの世界に知られる音楽堂「スメタナ・ホール」では毎年「プラハの春」のコンサートが開催され、アールヌーヴォー様式の装飾に満ちたインテリアは、いにしえのケルトの「ラ・テーヌ文様」の曲線を思わせます。 ボヘミアの地「チェコ」を訪ね、いにしえのケルト文化と美術との響き合いを鑑賞しましょう。(講師・記)
鶴岡 真弓:多摩美術大学名誉教授 1952年生まれ。早稲田大学大学院修了。ダブリン大学トリニティ・カレッジに留学。立命館大学教授、多摩美術大学教授、芸術人類学研究所・所長、同美術館・館長などを歴任。ケルト芸術文明史。『ケルト/装飾的思考』(筑摩書房)、『ケルト美術』(ちくま学芸文庫)、『図説 ケルトの歴史―文化・芸術・神話をよむ』(共著)、『装飾の神話学』(河出書房新社)、『装飾する魂』(平凡社)、『阿修羅のジュエリー』(イースト・プレス)、『すぐわかるヨーロッパの装飾文様』(東京美術)、『ケルトの想像力―歴史・神話・芸術』(青土社)、シャーキー『ミステリアス・ケルト-薄明のヨーロッパ』(鶴岡訳・平凡社)、『ケルト再生の思想』(ちくま新書・河合隼雄学芸賞)、ミーハン『ケルズの書』(鶴岡訳・岩波書店)など著訳書多数。NHK「人間大学」「カルチャーラジオ」「ユーミンのスーパーウーマン」「チコちゃんに叱られる」「美の壺」他出演。映画『地球交響曲第一番』ではアイルランドの歌姫エンヤと共演。
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