今年独立250周年を迎えるアメリカ合衆国では、政治的分断と歩調を合わせるように、アメリカ史の語りをめぐる対立が生じています。その中でもとりわけ問題となったのが、アメリカ史における奴隷制の役割をめぐる論争です。自由と平等を理念として建国された合衆国において、19世紀半ばの南北戦争まで奴隷制が続いたことは、アメリカの歴史的展開にとって、そして現代のアメリカ社会にとってどのような意味を持っているのでしょうか。本講座では、このような問題関心にもとづいて、アメリカ建国と奴隷制の関係を考察します。奴隷制はいかに北米に根をおろしたのか、反英闘争と独立戦争の中で奴隷制と奴隷とされた黒人たちはどうなったのか、新たに建国された合衆国において奴隷制はいかに議論され、維持されたのか。こうした問題を考察することを通じて、革命における理念と現実の矛盾を見つめ、アメリカの過去と現在を捉え直してみたいと思います。 (講師記)
鰐淵 秀一:わにぶち・しゅういち 明治大学文学部准教授。専門は初期アメリカ史・大西洋史。東京大学文学部卒業、ハーヴァード大学大学院博士課程終了。Ph.D.(歴史学)。共著に『改革が作ったアメリカ—初期アメリカ研究の展開』(小鳥遊書房、2023年)、『はじめて学ぶアメリカの歴史と文化』(ミネルヴァ書房、2023年)、『よくわかるアメリカの歴史』(ミネルヴァ書房、2019年)、The Worlds of William Penn(RutgersUniversity Press, 2019)等。
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