20世紀後半の人間は、全体主義の犯罪と世界大戦の犠牲を反省し、民主主義と自由を尊重することを決意したはずです。しかし、2010年代後半から、民主主義を破壊する動きが様々な国で目立つようになりました。特に、アメリカのトランプ政権の政策を見ると、民主主義の将来について悲観したくなります。この講座では、ファシズムが出現してからの100年を振り返り、現代版のファシズムといかに戦うかを考えてみたいと思います。(講師記) *2026年4月開講。全6講。 <各回の講義内容> 1 20世紀後半という黄金時代 ・民主主義がファシズムを倒したという大きな物語 ・国際協調の気運 ・経済発展の時代における合意の政治 ・国民国家の自己完結性 ・啓蒙の時代 2 1990年代という転換期 ・石油危機と保守の復活 ・左派、リベラルの復活と情報革命 ・グローバル資本主義の出現と貧困、格差の時代 ・社会民主主義の変容 3 民主主義の前提はいかに崩れたか 民主主義自体 ・民意による政治とは何か ・取り残された人々の政治参加 ・ポピュリストの台頭とデモをする右翼の登場 ・民意の表現の仕方をめぐる悩み 4 民主主義の前提はいかに崩れたか 情報とメディア ・大衆社会における民主主義の可能性と危険性 ・インターネット時代の政治コミュニケーション ・SNSと民主主義 ・ポストトゥルースとフェイクの時代 5 フェイクファシズムの時代 ・ファシズム論の系譜 ・ファシズムの定義 ・トランプはファシストか ・先進国におけるフェイクファシズムの広がり 6 民主主義をいかに守るか ・資本主義の改革と左派の立て直し ・ネット時代における中間集団の重要性 ・ナショナリズムをどう飼いならすか ・日本政治の行方
山口 二郎:やまぐち・じろう 法政大学教授 1958年岡山県生まれ。1981年東京大学法学部卒業後、東京大学法学部助手、北海道大学法学部助教授を経て1987年よりアメリカ・コーネル大学へ留学。1993年北海道大学法学部教授。1997年よりイギリス・オックスフォード大学に留学。2000−2004年北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター長。2005年よりイギリス、ウォーリック大学に留学。北海道大学公共政策大学院教授、北海道大学大学院法学研究科教授、パリ国立政治学院客員教授を経て、2014年4月より法政大学法学部教授。専攻は政治学・行政学。著書に、『ポピュリズムへの反撃』(角川書店)、『いまを生きるための政治学』(岩波書店)他多数。
<参考>『現代ファシズム論 何が民主主義を壊すのか』山口 二郎 著(朝日新聞出版)ISBN:9784022953537
教室でもオンライン(Vimeo使用)でも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。お問合せはyk9yokohama@asahiculture.comで承ります。