ジオパーク(地質の公園)というものが2009年ころから日本にもできてきました。これは世界遺産などとは違って、一つの岩石や地層を見たりするのではなく、関係する岩石群や地層群を巡って一つのテーマとするものです。また国立公園や国定公園はただ見るだけのものですが、ジオパークは見たり触ったり、調べたり巡ったりしてその成り立ちを知ることができます。地形や地質だけでなく文化的なものなどもジオパークの一部として、一つの地域の自然や文化をまとめて知ることを目標にしています。 2025年10月現在、日本には48のジオパークがあります。これは都道府県47を上回る数ですが、必ずしも1県に一つあるわけではありません。東京都に1つ、神奈川県には1つ、愛知県はゼロです。48のうち38が日本ジオパークで、10が世界ジオパークです(これを主催するのは日本ジオパークネットワーク(JGN))。 この講座ではジオパークとは何か、それはどのようにしてできてきたのか、それぞれのジオパークの地球科学的な特色とは何かを成因的に分類し、9回にわたってお話しします。私が手がけた下北、伊豆半島、三陸、室戸などのジオパークと、調査などで実際に現地へ行ったジオパークについても紹介します。各地の目玉を解説していきますので、この講座を期にどこかのジオパークに行ってみてはいかがでしょうか。(講師記) *2026年4月開講。全9講。 <各回の講義内容> ■4月期 「ジオパークとは、堆積岩、火山岩、花崗岩や橄欖岩を主体としたジオパーク」 第1回(4月4日):ジオパークって何? ジオパークはユネスコがバックアップする「地質の公園」です。その成り立ちの歴史や日本でジオパークが広まったいきさつを見ていきます。そもそもジオパークとは何だろうかについて解説します。最初に堆積岩を主なものとしたジオパークについて取り上げます。堆積岩とはなにか。堆積岩から何がわかるのかについても解説し、銚子ジオパーク(千葉県)を見ていきます。 第2回(5月2日):火山活動を主とするジオパーク 火山作用とはなにか。火山作用から何がわかるのかについて解説し、そこから箱根ジオパーク(神奈川県)について見ていきます。箱根火山には様々な火山活動、溶岩流、カルデラ、成層火山、水蒸気爆発などの現象が見られ、火山岩に関係した遺跡などを見ていきます。 第3回(6月6日):花崗岩や橄欖岩を主としたジオパーク 花崗岩とはどんな岩石か、橄欖岩とはどんな岩石か、火山岩を含めた3つの石の重要性について見て行きます。これらは意外と日本には少ないのです。花崗岩を主にした筑波山地域ジオパーク(茨城県)、立山黒部(富山県)と橄欖岩を主としたアポイ岳ジオパーク(北海道)について見ていきます。 ■7月期 「断層・付加体、日本海拡大のジオパークと総合的なジオパーク」 第4回:断層や付加体を主とするジオパーク 第5回:日本海の拡大を主にしたジオパーク 第6回:総合的なジオパーク ■10月期 「さまざまなジオパークから日本列島の成り立ちを探る」 第7回:東日本のジオパーク 第8回:西日本のジオパーク 第9回:日本列島の成り立ち
藤岡 換太郎:静岡大学防災総合センター客員教授 1946年京都市生まれ。東京大学理学系大学院修士課程修了。理学博士(東京大学)。専門は地球科学。東京大学海洋研究所助手、海洋科学技術センター深海研究部研究主幹、グローバル・オーシャン・ディベロップメント観測研究部部長、海洋研究開発機構(JAMSTEC)特任上席研究員などを歴任。機構退職後、神奈川大学・放送大学の非常勤講師を経て静岡大学防災総合センター客員教授。潜水調査船「しんかい6500」に51回乗船。三大洋人類初潜航を達成。海底地形名委員会での功績から2012年海上保安庁長官表彰を受ける。著書に『深海底の科学』(NHKブックス)『海はどうしてできたのか』『山はどうしてできるのか』『川はどうしてできるのか』『フォッサマグナ』『三つの石で地球がわかる』『見えない絶景 深海底巨大地形』(いずれも講談社ブルーバックス)『海がわかる57の話』(誠文堂新光社)『相模湾 深海の八景―知られざる世界を探る』『日本海の拡大と伊豆弧の衝突(共著)』(いずれも有隣堂)『深海底の地球科学』(朝倉書店)など多数。近著は『天変地異の地球学 巨大地震、異常気象から大量絶滅まで』 (講談社ブルーバックス)。
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