自然の中に一歩足を踏み入れると、そこは日常を忘れさせてくれる異次元空間です。奥深い未知の世界が広がっています。「なぜ?」「どうして?」と問いかけてみたくなります。本講座では、四季折々の野生生物の観察を通して生物の不思議に迫ってみたいと思います。 今学期は、早春にいち早く開花するカタクリやイチリンソウなどの春植物を取り上げます。夏を前にはかなくも葉を枯らしてしまうのはなぜなのか。東京や千葉ではなぜカタクリの自生地は北斜面に偏っているなど、地球の歴史からひもときます。シジュウカラは人家近くで巣箱を利用して繁殖します。巣箱以外ではどんなところに営巣するでしょうか。ツバメやスズメの繁殖と比べながら、人との関係を通してシジュウカラの子育ての不思議に迫ります。クモは、様々な昆虫を捕食する肉食のハンターです。それと同時に、鳥類にとってクモは格好の食物源です。生態系におけるクモ、昆虫、鳥類、植物、菌類などの役割についても注目します。(講師・記) 【カリキュラム(予定)】 <2026年4月期> 春編 第1回 春植物の開花と送粉:カタクリとギフチョウ 第2回 シジュウカラの子育て戦略:人との距離 第3回 興味つきないクモの世界:数々の名ハンター <2026年7月期> 夏編 第1回 熱中症警戒アラートとヤンマ観察 第2回 涼しいアルプスでライチョウウォッチング 第3回 アマサギ、チュウサギのオートライシズム <2026年10月期> 秋編 第1回 昆虫たちの大移動:渡りをする蝶、トンボ 第2回 モズの高鳴き、モズのはやにえ 第3回 成虫越冬:小枝に化けたホソミオツネントンボ <2027年1月期> 冬編 第1回 カモ類の婚活でにぎわう冬の湖沼 第2回 レンジャクとヤドリギの不思議な関係 第3回 ヒキガエル:真冬に産卵するのはなぜ *** 【広報画像】 @カタクリの花で吸蜜するギフチョウ(長野県安曇野)(講師撮影) A雛に幼虫を運ぶシジュウカラ(千葉県市川市)(講師撮影) B[左]イナゴを捕らえたナガコガネグモ(千葉県市川市)/[右]通信糸を張りめぐらせたヒラタグモの巣(千代田区・北の丸公園)(講師撮影)
唐沢 孝一:(からさわ・こういち)NPO法人自然観察大学前学長。東京教育大学(現筑波大学)理学部動物学科を卒業。都立高校の生物教師を経て、埼玉大学教育学部で「自然観察入門」を担当。日本鳥学会評議員、都市鳥研究会代表、NPO法人自然観察大学学長などを歴任。執筆や講演、自然観察など多方面にわたって活動している。著書に、『唐沢流 自然観察の愉しみ方――自然を見る目が一変する』(2014)地人書館、『目からウロコの自然観察』(2018)中公新書、『都会の鳥の生態学――カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰』(2023)中公新書、他多数。
【参考文献】 ●唐沢孝一『唐沢流 自然観察の愉しみ方――自然を見る目が一変する』(2014)地人書館
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