第二次世界大戦のさ中、ドイツ占領下のフランスで、サルトルの『存在と無』は出版されました。「現象学的存在論の試み」という副題をもった大著は、その学術的体裁にもかかわらず、一躍フランスじゅうに衝撃を与え、数年後に戦争が終わると実存主義のブームを引き起こしました。この影響は、日本にも波及し、サルトルの名は戦後では哲学者の代名詞のように流行し、若い人々の間で『存在と無』は熱狂的に読まれました。しかし、厚い本でもあり、取り扱う話題が広範でもありますので、なかなか読了することが難しい本です。とはいえ、20世紀フランス哲学の名著であることは、間違いありません。今回、私(岡本)が哲学を学ぶ機縁ともなった本書を取り上げ、その魅力を皆さんにお伝えしたいと思います。(講師・記) ※2026年4月開講。1年12講で学びます。各回テーマがありますので、途中受講歓迎です。 <カリキュラム(予定)> 【第1期】今期:2026年4月〜6月 第1回:『存在と無』はどんな本か?―基本的概念を確認する― 第2回:緒論を通して、テーマをさぐる 第3回:根本概念の「無」 【第2期】2026年7月〜9月 第4回:「対自存在」とはどのようなものか? 第5回:「対自存在」と「時間性」 第6回:対自存在の「超越」 【第3期】2026年10月〜12月 第7回:人間の「対他存在」というあり方 第8回:「まなざし」と身体 第9回:他者との具体的なかかわり 【第4期】2027年1月〜3月 第10回:行動の自由の問題 第11回:実存主義と精神分析 第12回:サルトルの道徳的展望
岡本 裕一朗:おかもと・ゆういちろう 玉川大学名誉教授 1954年福岡県生まれ。九州大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。九州大学文学部助手を経て、現在、玉川大学文学部名誉教授。専攻は哲学・倫理学。 著書に、『ネオ・プラグマティズムとは何か―ポスト分析哲学の新展開』『ヘーゲルと現代 思想の臨界』『ポストモダンの思想的根拠』『異議あり!生命・環境倫理学』(すべてナカニシヤ出版)、『12歳からの現代思想』(ちくま新書)、『モノ・ サピエンス』(光文社新書)、『ヘーゲル入門』(共著・河出書房新社)、『フシギなくらい見えてくる!本当にわかる現代思想』(日本実業出版社)、『フランス現代思想史』(中公新書)、『いま世界の哲学者が考えていること』(ダイヤモンド社)、『ほんとうの「哲学」の話をしよう』(中央公論新社)など多数。
テキスト※各自ご用意ください。ちくま学芸文庫『存在と無』T・U・V。 お手持ちのものでも可。
Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、yk9yokohama@asahiculture.comで承ります。