戦後、日本の古代史研究は、東アジア史の視点、民衆の多様な在り方を問う民衆史の視点が重視され、その後、女性史・ジェンダー史の視点や「天皇制」研究の新たな視点を提供する王権論等々からの史資料・史実の見直し・再検討が重ねられて、今日にいたっています。これらの動向に、考古学や近接する諸科学との連携の成果を加えて日本の古代史像は、大きく刷新されてきました。 今期は、重祚した斉明女帝が、筑紫朝倉宮で亡くなり、中大兄の指揮下で闘った白村江の戦役も大敗を喫した後の時代から天智没後の王位継承をめぐる争いである壬申の乱の終焉までの歴史展開をみてみます。 斉明女帝の死去後、中大兄は直ぐに即位することなく、「称制」(大王代行)を7年間行い、やっと668年に即位するが、わずか3年で、近江宮で亡くなります。蘇我本宗家を討ち、白村江の戦役を指揮した葛城皇子の最後です。『日本書紀』がこのように描いた「天智天皇伝」を批判的にみることで、天智没後の壬申の乱の真の要因もみえてくるはずです。(講師記) <各回テーマ(予定)> 第1回 中大兄素服称制から即位へ 第2回 近江遷都と天智即位 第3回 天智朝の東アジア外交と北方政策 第4回 大友王・倭姫「皇后」の「執政」と天智の死去 第5回 壬申の乱1−乱の勃発・その経緯− 第6回 壬申の乱2−乱の終息・「皇太弟」大海人の即位−
荒木 敏夫:専修大学名誉教授 1946年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程退学。1987年から専修大学文学部教授、同大学の文学部長、副学長を歴任。専攻は日本古代史。主な著書に、『日本古代の皇太子』(吉川弘文館、1985年)、『可能性としての女帝−女帝と王権−』(青木書店、1999年)、『日本古代王権の研究』(吉川弘文館、2006年)、『日本の女性天皇』(文庫版)(小学館、2006年)、『古代天皇家の婚姻戦略』(吉川弘文館、2013年)、『日本古代の王権』(敬文舎、2013年)。
●毎期、講座初回に地図資料をお渡しします。 <途中から受講される方>は横浜教室窓口へご請求いただくか、メール件名を「再検証:王権と列島の古代史 地図資料希望」とし氏名を明記してお送りください メール:yk9yokohama@asahiculture.com ●資料のアップロードは当日になる場合がございます。
教室でもオンライン(Zoomウェビナー使用)でも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。お問合せはyk9yokohama@asahiculture.comで承ります。 資料のアップロードは当日になる場合がございます。