ヒエロニムス・ボス(1450頃-1516年)は、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519年)と同時代に北方のネーデルラントで活躍しました。ですが活動歴や現存する作品の制作年はほとんど不明であり、また作品内容についても多くの事が今もって謎に包まれています。宗教的主題を扱ったものにせよ、幻想的で非現実的様相を見せるものにせよ、彼の作品には謎めいた奇怪な生き物が多数あらわれます。 不可思議なものには楽器の登場や歌唱の場面もあります。本講座ではそれらにスポットをあてます。大胆不適とも言えるような描写から、見過ごしてしまいそうな暗示的表現まで、ボスの作品にあふれる音楽を紹介しながら、謎めいた彼の絵画世界をのぞいていきます。(講師・記)
鈴木 桂子:東京芸術大学大学院修士課程修了。スイス、ベルン大学で博士号取得。専門は西洋中世美術。19年間スイスで生活し、帰国後は大学の教壇に立ち、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの研究に従事する傍ら、スイス美術の紹介につとめる。著書に”Bildgewordene Visionen oder Visionserzählungen” (Peter Lang)、『剣と愛と』(共著、中央大学出版部)、『夢と幻視の宗教史』(共著、リトン)、『中世美術の諸相』(共著、竹林舎)、『ヒルデガルト・フォン・ビンゲン―幻視の世界、写本の挿絵』(中央公論美術出版)など。
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