古代の人々にとって、祟りや占いは単なる迷信ではありませんでした。日本書紀や万葉集を紐解くと、そこには「迷わず決断するため」「社会の混乱を収めるため」という、驚くほど合理的で切実な人々の姿が浮かび上がります。本講座では、鹿の骨や亀の甲羅を用いた占いや、天皇が受け取った「夢告」の世界を解説。さらに、新指定遺跡となった「恭仁京(くにきょう)」の最新調査から、聖武天皇が描いた国家の理想と、わずか4年で消えた都の真実に迫ります。 【各回のテーマと概要】 4月:古代の祟りと占いと夢―飛鳥〜奈良 ・・・古代の祟りとは、実は単に怨霊が招く禍いではありませんでした。また「占い」も、未来 を「当てる」ためというより、実は、迷わず決断するためのものでした。この講座では、 飛鳥〜奈良時代を中心に、鹿の骨で占う太占(ふとまに)、亀卜、そして天皇や皇后が神 の言葉を受け取ったとされる「夢告(むこく)」の世界を紐解き。『日本書紀』や『万葉 集』に残された具体的な記事や歌を手がかりに、祟りと占いと夢が政治・信仰・人々の心 にどのような役割を果たしていたのかを、わかりやすく解説します。古代史の意外な一面 に触れてみませんか。 5月:古代の都の最新情報―国新指定遺跡「恭仁京(くにきょう)」を中心として・・・ 奈良時代、わずか4年で姿を消した幻の都「恭仁京(くにきょう)」。しかし近年の発掘 調査や残された万葉歌によって、その実像が大きく書き換えられつつあります。この講座 では、昨年12月、国の新指定遺跡となった恭仁京を中心に、最新の考古学成果と万葉集研 究とをもとに「なぜこの都は造られ、なぜ完成しなかったのか」という古代史最大の謎に 迫ります。内裏が二つ並ぶ異例の構造、巨大寺院計画の背景など、教科書には載らない最 前線の研究成果を、地図や写真や万葉歌を交えながらわかりやすく解説します。
塩沢 一平:二松学舎大学教授。東京大学大学院課程修了。博士(文学)。専門は、万葉集。古代歌謡から現代までの歌謡曲、J・POP。著書に『大伴家持 都と越中でひらく歌学(花鳥社)、『万葉歌人田辺福麻呂論』(笠間書院)。共著に『「万葉集」と東アジア』(竹林舎)、『歌、舞、物語の豊かな世界』(藝術学社)。論文に「唱い舞う万葉集 歌儛所の歌舞」、「三浦大知のファン文化研究」、「歌謡曲、J・POPにみられる「君」の変遷―女が男を「君」はと呼ぶ歌の誕生―」などがある。
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