交易のための都市国家は作るが、領土国家は作らない。阿曇と久米の行動をみると、その理念が一貫していることが分かります。では伽耶はどうなのでしょう。伽耶が都市国家による「緩やかな連盟」であったことは事実ですが、伽耶は「領土国家」ではなかったと考えると多くのことが腑に落ちます。戦って滅びず、緩やかに解体して無くなる。列島側では奴国(阿曇)と一支国(久米)。纒向の新王権でも自らは王家に距離をおいています。剣で戦う者はいずれ滅びる。ガンジーの思想であり、インダス文明の理想でした。だから伽耶という文明はそもそも国を背負わない。阿曇と久米の理想を再確認し、その後の大和王権側の誤解(意図しての?)を解きます。
光田 和伸:「桂の会」主宰 1951年生。京都大学国文・ドイツ文学科卒業。同大学助手・武庫川女子大学助教授を経て1995年4月〜2016年3月まで国際日本文化研究センター研究員。著書に『平野法楽連歌』(和泉書院・共著)『竹林抄』(岩波書店・共著)など。
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