「建築の見方がよくわからない」「どこが凄いのかわからない」という皆さんに向けて、建築のプロがわかりやすくその魅力を解説します。講師は「[東京建築アクセスポイント](https://accesspoint.jp/)」のメンバーで、毎月交代で登場します。昭和の巨匠たちの名建築を取り上げる講座です。(和田講師:記) [4月 山口文象] 担当:岸佑(青山学院大学、立教大学、東洋大学ほか非常勤講師) 社会をよくするために建築ができることは何か。「ひとびと」の生活の向上に建築はどう貢献できるのか。それを考えていたのが、建築家の山口文象(1902-1978)でした。たとえば逓信省や創宇社のメンバーとして活躍した山口の経歴を語るのに、彼が生きた時代背景を無視することはできません。そしてこの山口の考え方は、その後、彼が設立したRIAという組織へ引き継がれました。一方、山口は林芙美子邸(1940年)をはじめ数多くの住宅を手がけたほか、橋梁やダムなど土木デザインを手がけたことでも知られています。多岐にわたる山口文象の活動を、有名な作品を中心に説明したいと思います。(講師:記) [5月 原広司] 担当:磯達雄(建築ジャーナリスト/オフィス・ブンガ、桑沢デザイン研究所非常勤講師、武蔵野美術大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師) 梅田スカイビル(1993年)、JR京都駅ビル(97年)、札幌ドーム(2001年)などの大作で知られる原広司は、初期に「有孔体」や「反射性住居」といった独自の原理で住宅や学校を設計していました。東京大学で教職に就くと研究室で世界各地の集落をめぐり、そこで見た住居集合の形式を建築の設計へと反映していきます。また時とともに変化する雲や虹などの自然現象を建築に採り入れる試みにも取り組みました。数学的な論理性と文学的なイマジネーションが共存する原の建築について、彼が残した数々のキーワードを紹介しながら解説します。(講師:記) [6月 篠原一男] 担当:若原一貴(建築家/日本大学芸術学部デザイン学科教授) 戦後日本の住宅史に必ず登場する建築家・篠原一男の講義を行います。名作「白の家」(1966年)をはじめ、独自の空間世界をもつ住宅作品を数多く発表しました。今回は住宅作品を中心に、発表当時の写真や図面、そして本人の言説を手がかりとして、その空間の魅力、成立した時代背景、さらには建築思想に至るまでを丁寧に読み解きます。日本住宅の可能性を切り拓いた思考と実践を、じっくりと解説します。(講師:記)
岸 佑:1980年仙台市生まれ/国際基督教大学大学院比較文化研究科博士課程修了。青山学院大学、立教大学、明治学院大学、東洋大学などで非常勤講師をつとめる。専門は、日本近現代史、近現代建築思想史。DOCOMOMO Japanやジャポニスム学会で理事をつとめる。共著に『建築家ヴォーリズの「夢」』、『日本の図書館建築』(以上、勉誠出版)、共訳書にマーク・ウィグリー『白い壁、デザイナードレス』(鹿島出版会)がある。
若原 一貴:建築家/日本大学芸術学部デザイン学科教授 日本大学藝術学部卒業後、建築家・横河健の元で建築設計の実務を学ぶ。2000年に独立。「光が美しく、かつ陰影のある空間である事。表情のある本物の素材を使う事。」を理念とし「あがり屋敷の家」(2002年)「南沢の小住宅」(2011年)「小金井の住宅」(2022年)など継続的に住宅作品を発表中。現在も大学教育と並行して住宅設計の研究及び実務設計業務を行なっている。その他活動として、目黒区美術館建築ボランティア会所属、東京建築アクセスポイント理事、日本大学第三学園監事も務める。主な著書として『小さな家を建てる』(エクスナレッジ)など。受賞歴として「第30回 INAX デザインコンテスト入賞」 (2009年)、「第34回住まいのリフォームコンクール 優秀賞受賞」 (2017年)「日本建築学会教育賞受賞」(2023年)。
磯 達雄:建築ジャーナリスト/オフィス・ブンガ、桑沢デザイン研究所非常勤講師、武蔵野美術大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師 1963年埼玉生まれ。名古屋大学工学部建築学科卒業。日経BP社にて日経アーキテクチュア編集部、編集事務所フリックスタジオを経て、現在はオフィス・ブンガ共同主宰。日本の戦後建築を中心に取材・執筆活動を続ける。著書に『昭和モダン建築巡礼』『ポストモダン建築巡礼』『菊竹清訓巡礼』『日本遺産巡礼』(以上、日経BP社)『ぼくらが夢見た未来都市』(PHP新書)、『日本のブルータリズム建築』(トゥーヴァージンズ)があるほか、「日経アーキテクチュア」「CasaBrutus」「東京人」などの雑誌で建築にまつわる記事を寄稿している。
オンライン講座(Zoomウェビナー使用)です。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。