バッハ以降の作曲家で、その音楽表現、作曲技法、さらには解釈と演奏法に関して、ベートーヴェン以上に伝統的で、今日に至っても新たな可能性が求められるものはないと言えます。ピアノ・ソナタ全32曲各曲を、概ね2回づつの講座で詳しく解説しながら、同時に創作事情(伝統的な3曲単位の連作op.2,10,31あるいは2曲Op14,27、さらには一曲で完結した創作=とくにワルトシュタイン以降)と、当時の社会における音楽受容(出版や音楽的関心)のありかたを重視しながら、初期・中期・後期の単位からソナタ全体に視野に広げていきます。(講師:記) <使用テキスト> 当初は2026年後半に出版予定の『ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲解読』(アルテスパブリッシング)の準備原稿を資料として配布する予定です。楽譜は各自で準備して下さい。 <スケジュール> 2026年4月期(作品7と三つのソナタOp10から第1曲、第2曲) 第1回・第2回 ピアノソナタ第4番Op7変ホ長調:タイトルに「大ソナタ」とされているように、第1楽章の形式的規模の大きさと、第2、第3楽章の多様性、慣例的で手短なフィナーレで終わらない終楽章ロンドの音楽的充実。 第3回・第4回 ピアノソナタ第5番Op10-1ハ短調:後の「ハ短調」作品を予告する第1楽章のドラマ性と第2、第3楽章の対照的な音楽的性格の妙。 第5回・第6回 ピアノソナタ第6番Op10-2ヘ長調:前曲とは対照的な、ユーモアとウイット(機智)に満ち、シリアスさも事欠かかないウイーン古典様式の典型。 ※2026年1月開講
小鍛冶 邦隆:東京藝術大学作曲科在学中より指揮者・山田一雄のアシスタントをつとめ、同大学院をへて、パリ国立高等音楽院作曲科でO.メシアン、ピアノ伴奏科でH.ピュイグ=ロジェほかに、またウィーン国立音楽大学指揮科でO.スウィトナーに学ぶ。自作を含むプログラムで東京都交響楽団を指揮。以後、新日フィル、日フィル、東響、東フィル等を指揮。2003年度東京現代音楽アンサンブルCOmeT公演「室内オーケストラの領域III」にたいして、第3回佐治敬三賞受賞。クセナキス作曲コンクール(パリ)第1位、入野賞、文化庁舞台芸術創作奨励賞、国際現代音楽協会(ISCM)「世界音楽の日々」ほかに入選。著書に『バッハ「平均律」解読1,2』、『作曲の思想──音楽・知のメモリア』(アルテスパブリッシング)、『作曲の技法──バッハからウェーベルンまで』(音楽之友社)、『バッハ様式によるコラール技法』(共著、音楽之友社)、『楽典──音楽の基礎から和声へ』(共著、アルテスパブリッシング)、訳書に『ケルビーニ 対位法とフーガ講座』(アルテスパブリッシング)、監修書にベルリオーズ/R.シュトラウス『管弦楽法』(音楽之友社)、ジャン・ボワヴァン『オリヴィエ・メシアンの教室』(アルテスパブリッシング)、CDに『ドゥブル−レゾナンス』、『マドリガル或いは愛の寓意I-VI』(以上、ALM RECORDS)ほかがある。東京藝術大学音楽学部作曲科教授、慶應義塾大学大学院文学部、東京大学教養学部非常勤講師等を務める。現在 東京藝術大学名誉教授。
使用テキスト(推奨楽譜):ベートーヴェン ピアノ・ソナタ集1〜3 ウィーン原典版(音楽之友社)
教室でもオンライン(Vimeo使用)でも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。リアルタイム配信はございません。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。