21世紀にはいって四半世紀を経過した現在、20世紀に書かれた重要な著作は既に名実ともに「古典」と――現在の我々の思考や感性を方向付ける大前提に既になっていると同時に、現在の我々からは既に一定の距離を経ていて即座にはその意味するところが分からないものと――なっています。 この講座では政治社会思想を中心に、現在でも邦訳が文庫や電子書籍、インターネット・アーカイヴなどで接しやすい著作をとりあげて、その要所要所を丹念に読みながら、20世紀から現在にかけての歴史的意味を考えていきます。 初回となる今期では、「西洋マルクス主義」を(その限界と終わりを含めて)体現する哲学者ユルゲン・ハーバーマスの全貌を垣間見るのに好適な論文集『イデオロギーとしての技術と科学』の中から、とりわけ表題論文と冒頭の「労働と相互行為」をとりあげます。 次回以降はアイザイア・バーリン『自由論』、ピーター・シンガー『実践の倫理』などを予定しています。 【テキスト】各自ご準備ください。 ユルゲン・ハーバーマス『イデオロギーとしての技術と科学』 最新版は平凡社ライブラリー版となりますが、2025年現在、旧版も国会図書館デジタルコレクションで読むことができます。 【カリキュラム】 第1回 「労働と相互行為」 第2回 「労働と相互行為」(続) 第3回 「イデオロギーとしての技術と科学」 *カリキュラムは変更になることもあります。ご了承ください。
稲葉 振一郎:いなば・しんいちろう 明治学院大学教授 1963年、東京生まれ。1986年一橋大学社会学部卒業。1992年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。岡山大学経済学部助教授、明治学院大学社会学部助教授等を経て現職。専門は社会科学基礎論、社会倫理学。著書に、『経済学という教養』(東洋経済新報社、増補版/ちくま文庫)、『「資本」論−取引する身体/取引される身体』(ちくま新書)、『「公共性」論』(NTT出版)、『社会学入門−<多元化する時代>をどう捉えるか』(NHKブックス)、『不平等との闘い−ルソーからピケティまで』(文春新書)、『宇宙倫理学入門』(ナカニシヤ出版)、『政治の理論』(中央公論新社)など。
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