仏教は民族、国家、洋の東西の壁を越え、各地域の宗教文化・精神文化と融合しつつ、独自の展開を見せており、なにをもって正統であり異端であるのかという切り分けは難しい。そもそもインドの宗教文化においては、絶対的権威であるヴェーダを否定する仏教はナースティカ(非正統)と位置づけれてきたが、仏教内では大乗仏教の教説は歴史的に釈尊の教説ではないので(大乗非仏説、)初期仏典に基づく南方仏教(テーラヴァーダ)から見れば異端ともいえる。そして東アジア仏教に展開する大乗仏教はさらに変容を遂げており、特に日本仏教においては釈尊以来の伝統に由来する律(『四分律』いわゆる二百五十戒)をほとんどの宗派の僧は受けておらず、タイなど南方仏教では日本の僧は正式な僧として認められない。 本講座では、大乗非仏説の問題、「草木国土悉皆成仏」などの本来のインド仏教では認められない日本の仏教思想、そして各宗派において異端とされてきた事例(邪教立川流等)について紹介する。(講師記) <各回カリキュラム(予定)> 第1回 大乗非仏説と日本仏教の特質 日本仏教は仏教にあらず? 第2回 日本仏教における異端の事例 特に真言密教(邪教立川流)と禅宗(宗門擯斥の事例)について
安藤 嘉則:駒沢女子大学前学長・名誉教授 1958年生まれ。東北大学文学部哲学科卒業。同大学院博士課程単位取得退学。専攻はインド哲学、仏教学。東方研究会専任研究員、曹洞宗宗学研究所所員、駒沢女子大学教授、同大学学長を歴任。著書に『遺教経に学ぶ』曹洞宗宗務庁、『中世禅宗文献の研究』国書刊行会、『中世禅宗における公案禅の研究』国書刊行会、共著に『仏教入門』池田書店、『仏教行事散策』東京書籍、『道元思想のあゆみ3・江戸時代』吉川弘文館、『原典で読む原始仏教の世界』東京書籍ほか。
★Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、yk9yokohama@asahiculture.comで承ります。 ★教材のアップは講座当日になります。