いっさいの人間性が欠如しているかのような悪に出会うことがあります。無慈悲な殺戮、他者の身体の物としての使用、傲慢な自己正当化。そうした事例を目の当たりにすると、もはや人間を信じられない気持ちにもなるでしょう。あるいは信じられる人だけを「人間」に数えて、それ以外を「サイコパス」などのラベルを付けて排除する傾向も生まれます。しかし、それで本当にいいのでしょうか。サドは、上述の非人間性すべてを象徴する人物ですが、その分析を通じて、悪と呼ばれるものの救済可能性を検討します。悪は罰せられるべきものですが、その罪はどうやって贖いうるのでしょうか。なるべく平易に、じっくりとラカンの論文「カントとサド」を読み進めます。(講師・記) 【各期カリキュラム】 ※状況により変更することもございます。 ■7月期 4回 導入回 「カントとサド 悪を生む欲望について」(1回) + カントとサド(1):「精神分析における攻撃性」(3回) + 第1回:概要を掴む + 第2回:論点を掘り下げる + 第3回:広がりを展望する ■10月期 + カントとサド(2):カントと根源悪(3回) + 第1回:カントの道徳法則と、フロイトによるその精神分析 + 第2回:「悪の至高存在」について + 第3回:一神教と悪 ■2026年1月期 + カントとサド(3):イロニーとフモール(3回) + 第1回:キルケゴールにおけるイロニーとフモール + 第2回:ドゥルーズにおけるイロニーとフモール + 第3回:サドのイロニーとマゾッホのフモール ■2026年4月期 + カントとサド(4):「カントとサド」を読む(3回) + 第1回:概要を掴む + 第2回:論点を掘り下げる + 第3回:広がりを展望する 写真・撮影:Ralph Spieler
荒谷 大輔:あらや・だいすけ 慶応義塾大学教授 1974年生。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、慶應義塾大学文学部教授。著書に『資本主義に出口はあるか』(講談社現代新書)、『ラカンの哲学:哲学の実践としての精神分析』(講談社メチエ)、『「経済」の哲学:ナルシスの危機を越えて』(せりか書房)、『西田幾多郎:歴史の論理学』(講談社)、『ドゥルーズ/ガタリの現在』(共著、平凡社)など。
Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。