この講座では英国の人気作家、ジェイン・オースティン(1775 – 1817)が最初に出版した小説『分別と多感』(1811年)を、「階級」を主なキーワードとして読んでいきます。物語は二人の姉妹――自分をコントロールすることができる、分別のあるエリナーと、ロマンティックな詩や音楽を愛し、感性を大事にするマリアン――のそれぞれの恋愛をめぐるものです。物語の展開を追いつつ、当時のイギリスのアッパー・ミドル・クラスの結婚、教育、財産贈与、社交と行った様々な社会的、文化的要素を取り上げ、「階級」がどのようにかかわってくるかについて、目を向けていきます。1月期では作品の第三巻(※)を扱います。作品のあらすじや結末などにも触れますので、作品はあらかじめ読んでおくことをお勧めします。(講師・記) ※原作は三巻本です。日本語訳では通して全50章となっているものもあり、その第37章から第50章にあたる部分です。
新井 潤美:あらい・めぐみ 東京大学大学院教授 東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士号取得(学術博士)。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門はイギリス文学、イギリス文化、比較文学。主な著書に、『階級にとりつかれた人びと 英国ミドル・クラスの生活と意見』(2001)中公新書、『へそ曲がりの大英帝国』(2018)平凡社新書、『執事とメイドの裏表―イギリス文化における使用人のイメージ』(2011)白水社、『魅惑のヴィクトリア朝―アリスとホームズの英国文化』(2016)NHK出版、『パブリック・スクール―イギリス的紳士・淑女のつくられかた』(2016)岩波新書、『〈英国紳士〉の生態学―ことばから暮らしまで』(2020)講談社学術文庫、『ノブレス・オブリージュ―イギリスの上流階級』(2021)白水社、『英語の階級―執事は「上流の英語」を話すのか?』(2022)講談社選書メチエ。訳書に、ジェイン・オースティン著『ジェイン・オースティンの手紙』(2004)岩波文庫、他。
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