ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-91)は、生涯に一度も学校で学ぶことはありませんでした。音楽はもとより、語学を含むあらゆる教養のすべて、とりわけ、人生をどのように歩んでゆくべきかという、現代風に言えば、キャリア教育も、父レオポルトによって教育されました。アマデウスの生涯を理解するうえで鍵となるのが、父親が息子に預けた人生観や職業観です。今回の講座では、父レオポルトがどのようなキャリア教育を行ったのか、そしてその教えに「背くかのように」独自の人生を切り拓いた息子の、とりわけ就職と結婚について、お話したいと思います。(講師・記) 〈スケジュール〉 第1回:父レオポルトの生涯を概観し、どのような人生観や職業観を形成したのかを、見ていきます。 第2回:アマデウスは1777-9年に母親とともに、「マンハイム・パリ旅行」に出ます。目的は息子の就職探し。その間、ザルツブルクの父親は手紙により息子を「遠隔操作」します。どんなやりとりが展開されたのかを、見ていきます。 第3回:アマデウスは1781年ザルツブルク宮廷の仕事を辞し、ウィーンでの生活をはじめます。その年の暮にコンスタンツェ・ウェーバーとの結婚を父親に知らせますが、猛反対されます。最終的には翌年の8月に若い二人は結婚します。それまでのウィーンとザルツブルクとのバトルについて、お話します。 モーツァルト家のキャリア教育は成功したのでしょうか?それとも失敗したのでしょうか?皆さんといっしょに考えてみたいと思います。
久保田 慶一:東京藝術大学大学院修士課程を修了。フライブルク大学、ハンブルク大学、ベルリン自由大学に留学。東京学芸大学教授、国立音楽大学教授・副学長、東京経済大学客員教授を経て、現在、日本大学大学院、放送大学、各講師。音楽学博士(東京藝術大学大学院)。モーツァルト関連の著訳書には、『モーツァルト家のキャリア教育』(アルテスパブリッシング)、『レオポルト・モーツァルト:ヴァイオリン奏法』(全音楽譜出版)、『モーツァルトに消えた音楽家たち』(音楽之友社)などがある。
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