本講座では、英語史の区分で「中英語」といわれる約700年前の英語で書かれた『カンタベリー物語』を資料として、綴り、発音、意味、文法が現代英語とどのように異なるのかを考えてみます。 エドワード3世、リチャード2世、ヘンリー4世の治世に生きた詩人ジェフリー・チョーサー(? - 1400)の代表作『カンタベリー物語』は、カンタベリーの聖者トマス・ベケット参拝をしようとロンドンの旅籠に投宿していた「私」のもとに29人の様々な階層の巡礼者たちが同宿することから始まります。道中の興ということで参加者一人ひとりが往路復路で話をすることになります。それぞれの話者が話す「前置き(Prologue)」と「語り(Tale)」をまとめた形に構成されているのが『カンタベリー物語』なのです。 今回は、「総序(General Prologue)」で紹介されるさまざまな巡礼者の紹介文から短いパッセージを選んで、内容そのものも楽しみながら、中英語の特徴や不思議を味わってみたいと思います。 【カリキュラム】 第1回 「総序(General Prologue)」 の冒頭部分読み、特に現代英語とくらべてどのように発音と綴りが違うのかを中心にお話しします。 第2回 「総序」の中で紹介される女子修道院長に関する記述を読みながら、意味変化、文法の変化についてお話します。 第3回 「総序」の中で紹介されるバースの女の紹介文を読み、中英語と現代英語を分ける最も特徴的な音変化「大母音推移(Great Vowel Shift)」についてお話します。 *** 【広報画像】 @『カンタベリー物語』「総序」の冒頭部分(エレズミア写本(ファクシミリ版)より) A女子修道院長の紹介部分(講師制作写本より)
武内 信一:(たけうち・しんいち)青山学院大学名誉教授。1951年生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。国際基督教大学大学院修士課程修了。東京都立大学博士課程中退。防衛大学校助教授、愛知大学教授、青山学院大学教授を経て、現在青山学院大学名誉教授。専門は、英語文化史。著書に『英語文化史史料集』(2007)フォレスト、『英語言語文化史入門』(2008)フォレスト、『英語文化史を知るための15章』(2009)研究社。共著に『イギリスルネサンス期の言語と文化』(2010)英宝社、『世界史の中の近世』(2017)慶応義塾大学出版会。訳書に、ルドー・ミリス『天使のような修道士たち』(2001)新評論、ルドー・ミリス『異教的中世』(2002)新評論、キャロリー・エリクソン『中世人の万華鏡』(2004)新評論。他、論文及び学会報告多数。
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