この100年、九州はさまざまな文学作品の舞台となってきました。作家と九州にはどのようなつながりがあったのか、なぜその作品が生まれたのか…象徴的な作品を取り上げ、土地や人、時代といった背景を踏まえて、講師陣が「九州と文学」を解き明かします。 12月21日 森崎和江『まっくら』から『能登早春紀行』まで 「近代」を見つめ「昭和」のあり方を問い続けた詩人・思想家の森崎和江は、筑豊・中間時代の『まっくら』で女坑夫に聞書きし、『海路残照』『能登早春紀行』等で移動する海女の軌跡を追い求めた。これらの著作から「近代」「昭和」の物語を紐解いてみたい。 講師は、オンラインにて講義します。
渡邊 英理:熊本県生まれ、鹿児島県(霧島市・鹿児島市)育ち。大阪大学大学院人文学研究科教授。日本語文学、批評/批評理論、思想文学論。東京大学大学院総合文化研究科単位取得後満期退学。博士(学術)。主要著書に、単著『到来する女たち─石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学』(書肆侃侃房、2025年)、『中上健次論』(インスクリプト、2022年、第14回表象文化論学会賞)、共編著『クリティカルワード 文学理論』(三原芳秋・鵜戸聡との編著、フィルムアート社、2020年)、共著『〈戦後文学〉の現在形』(平凡社、2020年)、『文学理論の名著50』(平凡社、2025年)、『二十一世紀の荒地へ』(酒井直樹・坪井秀人との鼎談収録、以文社、2025年)など。 文芸批評では、共同通信・文芸時評「いま、文学の場所へ」、「女たちの群像」『群像』(講談社)、「おごじょの本棚」『西日本新聞』などを連載。森崎和江『能登早春紀行』「解説・旅する言葉、海と女の思想圏」(中公文庫、2025年)ほか、文庫解説も手がけている。
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