11〜12世紀に契丹(遼)の聖宗・興宗・道宗の3人の皇帝を葬った皇帝陵「慶陵」は、中国内モンゴル自治区東部の大興安嶺山脈の南麓に造られました。慶陵は1920年代に発見され、現地がかつて満洲国の支配下に入ったため、鳥居龍蔵をはじめとする日本人の学者たちが発掘調査・研究を行いました。三つの陵墓の一つから、人物や風景を描いた美しい壁画が発見されたことで名高いものです。本講座では、戦前の日本人にはじまり、近年の中国における考古学研究の新展開に至るまで、慶陵の調査・研究の歴史をあとづけます。戦前日本人の調査記録の見直しや、慶陵で行われた契丹皇帝の葬礼の復原研究など、最新の研究成果を分かりやすくご紹介します。
古松 崇志:京都大学人文科学研究所教授 博士(文学)。専門はユーラシア東方史(主に10〜13世紀)で、遊牧民を主体とする北方王朝と中国との関係などを中心に研究している。主要著作に『シリーズ中国の歴史B草原の制覇:大モンゴルまで』(岩波書店、2020年)、『ユーラシア東方の多極共存時代:大モンゴル以前』(名古屋大学出版会、2024年)、『金(女真)と宋:12世紀ユーラシア東方の民族・軍事・外交』(共著、研文出版、2021年)、『金・女真の歴史とユーラシア東方』(共編、勉誠出版、2019年)などがある。
Zoomウェビナーを使用したオンライン受講の申し込みページです。教室受講をご希望の場合は別の当該講座紹介からお申込みください(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline009@asahiculture.comで承ります。