10月は花鳥風月シリーズの一環として「西行和歌の月」を考えることにしたため、11月と12月の2回で、西行の「吉野入山」を西行和歌から読んでみたい。 西行にとって吉野とは何であったか、は究極の難問である。今回はそのアプローチとして、いつ、なぜ、西行が吉野に入山したのか、を考える。和歌から読む西行伝シリーズの5回までに、出家する前、在俗期に吉野山に行ったことがあること、出家の動機の一つに吉野への憧れがあったこと、初度陸奥の旅によって吉野入山は明確に決断されたことなどを想定してきたが、今回は吉野山や御嶽詣の歴史との関係を考慮しつつ、吉野山への経路、あるいは西行庵の位置、などを考察する。吉野を詠んだ西行和歌には詞書に「吉野」を語らないものが多い。花の歌の多くが吉野で詠まれ、吉野には庵も結んだはずなのに、なぜ西行は吉野に住んだことを語ったり、死地に選ぶことができなかったのか、考えてみたい。(講師・記)
西澤 美仁:にしざわ・よしひと 上智大学名誉教授 1953年愛知県生まれ。東京大学卒業。著書『西行―魂の旅路―』(2010)の他、明治書院・和歌文学大系『山家集・聞書集・残集』(2003)で『山家集』の注釈を担当。2009年「西行学会」を設立し、代表を務める。
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