『万葉集』には「柿本朝臣人麻呂作歌(ヽヽ)」として載せる約80首とは別に、「柿本朝臣人麻呂歌集(ヽヽ)出」などと注記される歌が約340〜60首、各巻に散在しています。人麻呂の編集した歌集が『万葉集』の編纂材料の一つとされたのであり、それらは文字で書かれた最初のやまと歌でした。今から二十年くらい前の有力な考え方では、人麻呂歌集には集団に共有されていた歌から個の抒情が立ち上がっていく過程が見て取れる、とされていました。 この講座では、集団から個へという伝統的図式を離れ、やまと歌はことばの芸として発足したのだとの見地から読解を進めていきます。さまざまな場面を想像し、登場人物の心を代弁してみせること――それは集団の願望でもなければ、個人の体験の表白でもありません。寸劇の台詞のようにして恋の百態を詠み分けてみせることこそが、歌人人麻呂の芸の見せ所だったのです。 一回あたり「正述心緒」から4首、「寄物陳思」から8首、計12首を読んでいく予定です。(講師記・2025年4月開講) @10月 8日 2386〜89、2451〜58 A11月12日 2390〜93、2459〜66 B12月10日 2394〜97、2467〜74 ※進捗により変更になる場合がございます。ご了承ください。 ※初回10月8日に1日体験教室を併設します。(要予約・有料)。
品田 悦一:しなだ・よしかず 東京大学教授 1959年群馬県生まれ。1988年東京大学大学院人文科学研究科博士課程(国語国文学)単位取得修了。上代日本文学専攻。聖心女子大学文学部教授を経て、現在、東京大学教授。著書に『万葉集の発明 国民国家と文化装置としての古典』(新曜社)、『斎藤茂吉』(ミネルヴァ書房)、『斎藤茂吉 異形の短歌』(新潮社)、共著に『「国書」の起源−近代日本の古典編成』(新曜社)、共編著に『【うた】をよむ 三十一字の詩学』(三省堂)などがある。
テキストとして「万葉集」(全歌掲載)を各自ご用意ください。推奨しているテキストは塙書房の『補訂版 万葉集本文篇』(佐竹・小島・木下共著)です。
Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。 ・教室は変わる場合があります。当日の案内表示をご確認ください。