チェコ共和国の首都、プラハ。いにしえから、さまざまな伝説や煙幕に包まれた古都。その石畳を幾重の時代が通り過ぎ、たくさんの歴史や想い出を蓄積させてきたのである。人間の巧みな技や記憶、或いは想像力が産んだ、プラハの石(現カレル)橋の創設譚、旧市街広場の天文学時計建設を取り巻く悲劇、2015年に600年が経つ、宗教改革者ヤン・フスの非業な死の話、政(まつりごと)よりルドルフ二世皇帝時代に芽生えた、ユダヤ人街で人造されたゴーレムやその創造人と言われる人物にまつわる伝説、また各国の錬金術師をうっとりさせ、呼び寄せたプラハの魔界、カレル広場に位置するファウストの家にまつわる怪奇現象や、「小母なる」プラハの爪に引っかかり、もはや離させることのなかった作家たち、カフカ、マイリンクなどの文学に触れながら、チェコで生まれ育った講師が「魔都プラハ」のその数奇な都市伝説の世界を日本語でたっぷり暴く。 (講師・記)
ペトル・ ホリー:チェコ蔵主宰 1972年プラハ郊外に生まれ育つ。1990年プラハ・カレル大学哲学部日本学科に入学し、語学短期留学で初来日。93〜94年早稲田大学別科日本語専修過程、98年〜2000年東京学芸大学大学院、2000〜06年早稲田大学大学院文学研究科にて歌舞伎を研究し、04〜06年同大学第一文学部助手、06年同大学大学院博士課程を単位取得退学。06年に、駐日チェコ共和国大使館内チェコセンター東京を新たに開設、同時に所長に就任。ヤン・シュヴァンクマイエル監督の映画字幕作成や書籍翻訳、関連書籍の執筆をはじめ、チェコ文化を広く日本に紹介。13年にチェコセンター所長を満期退任。現在、未だ知られざるチェコ文化・芸術の紹介と普及を目的にした「チェコ蔵」を主宰。チェコ文化関連のイヴェントや講師・講演会など数多くこなし、公的な通訳・翻訳業にも携わる。早稲田大学演劇博物館招聘研究員。都留文科大学兼任講師。 チェコ蔵ホームページ http://chekogura.com
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