日本人の2人に1人は一生のうちにがんと診断されます。男性で最も多いのは前立腺がんで、年々増えています。「死なないがん」とも言われますが、実際には進行に応じて治療を続ける必要がある厄介ながんです。近年は前立腺がん特有のタンパク質「PSMA」を利用した新しい検査と治療が注目されています。PSMA PET検査では従来の検査より正確にがんの広がりを見つけられ、PSMA治療ではがん細胞だけを狙って治療できます。欧米では標準治療となり、日本でも導入予定です。本講座では、前立腺がんの基礎から最新のPSMA検査・治療までをわかりやすく解説します。皆さまのお役に立てれば幸いです。
車 英俊：1991年防衛医科大学校卒業後、海上自衛隊医官として勤務し、国連PKO活動にも参加。2000年に北里大学泌尿器科へ移籍し、前立腺がんのプロテオーム解析で医学博士号を取得。2005年からは東京慈恵会医科大学泌尿器科で臨床と研究に従事し、2008年からはカナダ・バンクーバー総合病院でホルモン抵抗性前立腺がんの研究に取り組む。2013年に横浜で馬車道さくらクリニックを開院。 2018年からは世界最先端のPSMA治療に携わり、オーストラリアの医療施設と連携して日本の患者の治療を支援。2019年に一般社団法人セラノスティクス横浜を設立し、これまで西郷輝彦さんはじめ100人以上の患者を橋渡ししてきた。2024年には日本初のPSMAの解説書『ストップ! 前立腺がん: PSMAが変える日本のがん医療』を刊行。長年にわたり前立腺がんの臨床と研究に携わり、国内におけるPSMA医療の第一人者として活動している。
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