3〜6世紀のころ、韓国南部の洛東江流域に加耶の国々がありました。『日本書紀』では任那とよばれ、継体紀に任那四県の割譲、欽明紀に任那日本府、任那復建、任那十国滅亡などについて記されています。それらの任那記事を検討します。ついで加耶、馬韓・百済の古墳を概観します。大加耶(高霊)・金官加耶(金海)・阿羅加耶(咸安)・小加耶(固城)・比自火(昌寧)・多羅(陝川)・達句伐(大邱)・押督(慶山)卓淳(昌原)などの古墳、百済の熊津(公州)の横穴墓、韓国西南部の栄山江流域に分布する馬韓(慕韓)の大型甕棺墳、前方後円墳などです。『日本書紀』の任那関係記事を考古学から検証し、 倭と加耶の国際関係を考えます。2023年9月、「加耶古墳群」は世界遺産に登録されました。近年、加耶遺跡の発掘調査がすすめられてきましたが、2024年6月に大加耶王陵の高霊池山洞5号墳の再発掘が計画、開始されました。2026年まで継続、2028年に調査報告書を刊行する予定という。 〈各回テーマ〉 10月13日(月):『日本書紀』のなかの任那 11月10日(月):加耶諸国の墳墓―金官加耶・大加耶・阿羅加耶・小加耶― 12月 8日(月):百済・馬韓(慕韓)―栄山江流域の甕棺墳と前方後円墳
東 潮:徳島大学名誉教授 1946年生まれ。九州大学大学院博士課程修了。専門は東アジア考古学。橿原考古学研究所、徳島大学教授を経て、現在、徳島大学名誉教授。主な著書に『高句麗壁画と東アジア』(学生社)、『邪馬台国の考古学−魏志東夷伝が語る世界−』(角川選書)、『倭と加耶の国際関係』(吉川弘文館)、『高句麗考古学研究』(吉川弘文館)、『古代東アジアの鉄と倭』(渓水社)、『百済と周辺世界』(チニンジン)、『加耶はなぜほろんだか』(共著、大和書房)、『倭と加耶―朝鮮海峡の考古学』 (朝日選書)ほか
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