慈悲のみほとけ、観音菩薩。古代インドに起源をもつ仏教尊格であるとともに、ユーラシア各地の多彩な神々の要素を取り込んだ信仰の対象として、時代や国・地域の壁を超えて多くの人々に親しまれてきました。この講座では、東アジアにおける観音信仰史の展開を概観したうえ、古代・中世の日本列島で制作された観音像や、その霊験・利生を説く文芸作品、さらに西国や坂東における三十三所巡礼の動向を伝える歴史資料を主題として、「観音さま」の魅力について学びを深めていきます。(講師・記) 【各回テーマ(予定)】 第1回 観音菩薩の起源 インド・中央ユーラシア 第2回 東アジアの観音信仰 中国・韓国 第3回 観音信仰東漸 仏教伝来と飛鳥時代の観音像
宗藤 健:むねとう・けん 東京藝術大学美術学部附属古美術研究施設非常勤講師。横浜市生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了(日本・東洋美術史専攻)。観音ミュージアム主任学芸員を経て、現在駒澤大学ほか非常勤講師。主要論文に「長谷観音信仰地方伝播の一様相」(『説話・伝承学』32)、「中世関東地方北東部における観音霊験像の成立と展開」(『鹿島美術財団年報』42)、共著に『修道制と中世書物』(八坂書房)など。
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