激動の時代に34年の生を駆け抜けたユダヤ系フランス人女性思想家シモーヌ・ヴェイユ(1909-43)。その最晩年の書であり、「人間がなすべきことについての前奏」の副題をもつ、彼女の思想の集大成『根をもつこと』の読解を通して、「根をもつこと」が、現代においてどのようにして可能となるのかを考察したいと思います。現実とテクストが激突したさいの感情に宿るものを捉えるため、広く知られた映画や文学を具体的な現場と見立てて参照することを予定しています。(講師記) 「人間の魂は根をもつことをおそらく必要としている。根をもつことは、もっとも大切であるのに、見過ごされている。根をもつことを定義するのは難しい。現に存在しているある集団に、実際に、活き活きと、自然に属することで人は根をもつ。過去から受け継いだ宝物と未来への確かな予感を保持している集団に属することで根をもつのである」(シモーヌ・ヴェイユ『根をもつこと』より) 全12講予定 【カリキュラム】 [2025年10月〜2026年3月] 1.イントロダクション 2.第1部 魂の要求するもの(1)――秩序/自由/服従/責任/平等 3.第1部 魂の要求するもの(2)――階級制/名誉/刑罰/言論の自由 4.第1部 魂の要求するもの(3)――安全/危険/私有財産/共有財産/真実 5.第2部 根こぎ(1)――労働者の根こぎ 6.第2部 根こぎ(2)――農民の根こぎ [2026年4月〜9月]*後期の受付は2月下旬〜 7.第2部 根こぎ(3)――根こぎと国民 8.第3部 根をもつこと(1) 9.第3部 根をもつこと(2) 10.第3部 根をもつこと(3) 11.まとめと補足――詩をもつこと(1) 12.まとめと補足――詩をもつこと(2) [テキスト] シモーヌ・ヴェーユ、山崎庸一郎訳『根をもつこと』春秋社、新版2009年[初版1967年] [参考書] 今村純子『シモーヌ・ヴェイユの詩学』慶應義塾大学出版会、2010年 今村純子『映画の詩学――触発するシモーヌ・ヴェイユ』世界思想社、2021年
今村 純子:今村純子(いまむら・じゅんこ)立教大学特任教授。美学・表象文化論。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。哲学DEA(ポワティエ大学)、学術博士(一橋大学)。著書に、『シモーヌ・ヴェイユの詩学』(慶應義塾大学出版会、2010 年)、『映画の詩学』(世界思想社、2021年)、責任編集に、『現代詩手帖特集版 シモーヌ・ヴェイユ』(思潮社、2011 年)、訳書に、ミクロス・ヴェトー『シモーヌ・ヴェイユの哲学』(慶應義塾大学出版会、2006 年)、シモーヌ・ヴェイユ『前キリスト教的直観』(法政大学出版局、2011 年)、『シモーヌ・ヴェイユ アンソロジー』(河出文庫、2018 年)、『神を待ちのぞむ』(河出書房新社、2020 年)などがある。
シモーヌ・ヴェーユ、山崎庸一郎訳『根をもつこと』春秋社、新版2009年[初版1967年] ※ご購入の場合は、各自書店やインターネットでお願いいたします。
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