マクシム・ゴーリキー(本名アレクセイ・マクシーモヴィチ・ペシュコフ1868年〜1936年)の代表作のひとつ『どん底』は、名セリフの宝庫であり、どん底に堕ちた風変わりな人物たちが織り成す群像劇です。明と暗、軽快さと重苦しさ、喜劇と悲劇がめまぐるしく交錯する不可解で不条理な世界になぜか魅せられながら、私たちはわが人生について考えざるをえなくなります。(講師記) <各回カリキュラム(予定)> 11/17 ゴーリキー(「苦い・辛い」という意味)の名の通り、どん底の極貧の中でさまざまな職業に就き、逮捕・自殺未遂を経験するなか文学に目覚め、作家同盟の議長にまで昇りつめながら、レーニンやスターリンと対立し、最後には謎の死を遂げた作家の生涯を辿ります。 12/15 日本の新劇に多大な影響を与えた『どん底』の中に私たち現代人は何を読み取るでしょうか。さまざまな登場人物が語る「真実」とは何か、について検証します。ロシアの舞台の映像もお見せします。
安達紀子:朝日新聞モスクワ支局専属通訳などを経て早稲田大学講師。著書に『モスクワ狂詩曲』『モスクワ綺想曲』(小野梓記念芸術賞)など。訳書にチェーホフの『三人姉妹』、『桜の園』、『スタニスラフスキーの『俳優の仕事』(共訳、日本翻訳出版文化賞)など。 1999年、ロシア文化省よりプーシキン記念メダルを授与される。
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