日本史の教科書では、古代の政治や外交、宗教など多方面に活躍し、理想的な人物と位置付けられてきた「聖徳太子」の存在感が近年、確実に低下しています。「聖徳太子は実在したか」という項目まで教科書には登場するようになりました。本講座では、『日本書紀』の記述を極端に解釈せず、中国王朝・隋の歴史書『隋書』や、聖徳太子の伝記「上宮聖徳法王帝説」など、少しでも同時代と思われる史料を駆使し、冷静に批判を加えながら読むことで、聖徳太子の実像に迫りたいと思います。(講師・記) 【各回のテーマ(予定)】 @聖徳太子の歴史学−同時代史料から考える A上宮王家と斑鳩−経済的基盤と宮経営 B聖徳太子の名号について−厩戸・上宮・豊聡耳
仁藤 敦史:にとう・あつし 国立歴史民俗博物館名誉教授 1960年静岡県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科満期退学。博士(文学)。専門は日本古代史(特に古代王権論、都城制成立過程の研究)。現在、国立歴史民俗博物館教授。主な著書に『古代王権と都城』(吉川弘文館)、『古代王権と官僚制』(臨川書店)、『女帝の世紀』(角川書店)、『都はなぜ移るのか−遷都の古代史−』(吉川弘文館)、『卑弥呼と台与』(山川出版社)、『古代王権と支配構造』(吉川弘文館)、『NHKさかのぼり日本史 (10)奈良・飛鳥 “都”がつくる古代国家』(NHK出版)など。
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