今年で21年目を迎える本講座は「ギリシャ神話」にはじまり西欧文化の流れをたどって、いったん20世紀に達しましたが、そこで受講生からの要望に応えて過去にもどり、11年前からキリスト教とヨーロッパの関係について学んでいます。 イエス・キリストが生まれたのは中東のパレスティナ地方ですが、キリスト教は、そこを支配していたローマ帝国とやがてそこに侵入してヨーロッパという新たな文明を築く諸民族によって世界的規模に広がり、人類共通の普遍的宗教となりました。本講座はこの「ローマ帝国のキリスト教化」の検討をすでに終え、6年前から「ヨーロッパとキリスト教」の問題にはいっています。 昨年度は春・夏期に「祈る人、戦う人、働く人」秋期に「イスラームとの出会い」冬期には「ユダヤ人との共存」をテーマとし、9,10,11世紀、ヨーロッパ中世世界がどのようにして成立したかを探りました。 本年度はいよいよ「中世の春」といわれる12世紀、イスラーム世界、ユダヤ人との関係を抱えながら、西欧諸国が築いたヨーロッパ独自の文化とは何か、を考察します。 これまでの経過をご存じなくとも、興味のある方はぜひご参加ください。テキストは用いず、毎回要点をプリントしてお配りします。必要に応じてビデオ等の映像を鑑賞します。(講師・記)
中島 公子:元明治大学教授 早稲田大学大学院博士課程終了。早稲田大学等講師を経て2003年まで明治大学教授。著書:『お話文芸思潮』青山社、『文芸人間学の試み』近代文藝社、『My Lost Childhood』(短編小説集)近代文藝社。訳書:『キリスト教思想』白水社クセジュ文庫、F.モーリヤック『蝮のからみあい』『海への道』春秋社、他多数。
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