フランス現代思想の最後の巨星、ジャック・デリダ。昨年で没後20年を迎え、この哲学者の遺産を振り返る多くの試みがなされました。次第に明らかになってきたのは、私たちが生きる21世紀の現代思想が、デリダをはじめとする、いまだ20世紀に築かれた多くの試みの影のもとにあるということです。脱構築(ディコンストラクション)、読むこと(レクチュール)と書くこと(エクリチュール)、母語と翻訳、暴力と正義、他者と歓待、そして赦し……。本講座では、没後に出版された講義録や遺稿なども参照しながら、新たに見えてきたデリダ思想の全貌をあらためてたどることで、みなさんとともに現代思想の来歴を探り、21世紀における思想の未来を切り拓く可能性を模索したいと考えています。(講師・記)
宮ア 裕助:みやざき・ゆうすけ 1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は哲学、ヨーロッパ現代思想。現在、専修大学文学部教授。著書に『読むことのエチカ──ジャック・デリダとポール・ド・マン』(青土社)、『ジャック・デリダ──死後の生を与える』(岩波書店)ほか。共訳書に、マーティン・ヘグルンド『この生──世俗的信と精神的自由』(名古屋大学出版会)、ジャック・デリダ『メモワール──ポール・ド・マンのために』(水声社)ほか。
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