◆かながわ考古学財団連携講座◆ 第1回(7/12) 近世〜近代 講師:井関文明 近年、神奈川県内で実施した発掘調査で発見された近世・近代の遺跡・遺構・遺物を通して、近世・近代における「小田原城と城下町」、「村落と生業」、「寺院と墓地」、「開国と戦争遺跡」、「まちづくりと観光資源」について概観します。また、近年の発掘調査成果で特筆すべき内容を持つ横浜市山下居留地遺跡のペットの墓(近代)について紹介するとともに、講師が実際に発掘調査を担当した小田原市杉浦平太夫邸跡の事例についても触れたいと思います。(講師記) 第2回(8/9) 鎌倉時代・戦国時代 講師:山口正紀 神奈川県内の開発に伴い、近年では数多くの発掘調査が行われてきました。鎌倉〜室町時代では、都市鎌倉を中心として周辺の地域で明らかになった新たな発見例と戦国時代における小田原城や県内に所在する山城の様相について、調査で得られた様々な成果についてを紹介していきます。(講師記) 第3回(9/13) 奈良・平安時代 講師:橋香 奈良・平安時代の神奈川県は、相模国と武蔵国の一部であったといわれています。箱根の関をこえると「坂東」と呼ばれる都とはまた異なる世界が展開していました。国の中心には国府・郡家があり、その周辺には集落があったことが発掘調査によってあきらかにされています。神奈川の奈良・平安時代の人々がどう生きてきたのか、最新の発掘調査成果をふまえながら、ご紹介していきます。(講師記) 第4回(10/11) 古墳時代 講師:新山保和 『足下に眠る神奈川の歴史』の章立てに合わせ、「古墳の出現と展開」「群集する後期・終末期古墳」「集落の様相」「鏡の世界」「出土品の様相」について、本書で取り上げた近年の発掘調査成果を中心に解説していく。また、本書では取り上げなかった遺跡や遺物、刊行中及び刊行後に見つかった遺跡・遺物も含めて神奈川県における古墳時代の到達点について、課題とともに最新成果を紹介したい。(講師記) 第5回(11/8) 弥生時代 講師:戸羽康一 神奈川県内における弥生時代の遺跡・遺構・遺物を通じて、農耕集落以前の様相、大規模集落の成立と展開、新たな墓制の出現、食糧の生産、海と洞窟の利用、製品製作技術について概観します。また、近年の発掘調査で注目を集めた遺跡についても紹介しつつ、神奈川県の弥生時代について解説します。(講師記) 第6回(11/29) 縄文時代 講師:野坂知広 近年、神奈川県内で実施した発掘調査で発見された縄文時代の遺跡・遺構・遺物を通して、縄文時代における「生業の実態」、「環状集落と配石集落」、「墓とまつり」、「地域間交流」について概観します。また、近年の発掘調査成果で特筆すべき内容を持つ伊勢原市西富岡・向畑遺跡の埋没林(縄文晩期)、秦野市稲荷木遺跡の配石集落(縄文後期)について紹介するとともに、講師が実際に発掘調査を担当した伊勢原市子易・中川原遺跡の事例についても触れたいと思います。(講師記) 第7回(12/13) 旧石器時代 講師:脇幸生 近年、神奈川県内で実施した発掘調査で発見された旧石器時代の遺跡・遺構・遺物を通して、県内における「最古の石器群」、「生業」「石器製作址」「石材と遺跡」「接合資料」「炉・礫群」について概観します。(講師記) <参考テキスト> [(公財)かながわ考古学財団編『足元に眠る神奈川の歴史』(有隣堂)](https://www.yurindo.co.jp/publication/book/history-of-kanagawa-lies-beneath-our-feet/) ※別途講義資料がありますので、本書をお持ちでなくてもご参加いただけます。 令和3年より年度ごとにテーマを掲げ、朝日カルチャーセンター横浜とかながわ考古学財団による連携講座を開催しております。今年度も7月期から全7回の連続講座を計画しています。今回の連続講座は、昨年度に当財団が有隣堂さんと連携して刊行した『足元に眠る神奈川の歴史』をふまえて、掲載内容をより詳細に解説したり、関連する事例に触れてより幅広いお話ができればと考えております。ぜひ一緒に足元に眠っていた神奈川の太古の歴史を近代からさかのぼり時代ごとに学んでいければと思います。(監修・大塚健一さん記) ―――――――― (公財)かながわ考古学財団は、神奈川県の公益財団法人。発掘調査と普及活用を行うとともに、神奈川県という地域に根差した学術研究を実施する。現地見学会で発掘現場を公開し、調査成果は、発掘調査報告書をはじめ、発表会やセミナーなどで公開している。古墳時代の発掘調査は、近年、子易・中川原遺跡(伊勢原市)、上粕屋・子易遺跡(伊勢原市)、中依知遺跡群(厚木市)、及川伊勢宮遺跡(厚木市)など、新東名高速道路・厚木秦野道路建設事業にかかる伊勢原市域、厚木市域の調査で大きな成果があがっている。 ――――――――
井関 文明:東海大学文学部史学科卒業。考古学を専攻。1996年よりかながわ考古学財団勤務。専門は近世小田原陶磁器編年。
山口 正紀:鶴見大学文化財学科で考古学を専攻。鎌倉市教育委員会を経て、2013年よりかながわ考古学財団勤務。専門は中世都市論。
橋 香:帝塚山大学大学院人文科学研究科修士課程で考古学専攻。(公財)大阪府文化財調査センター、茅ヶ崎市文化振興財団を経て、2006年よりかながわ考古学財団勤務。専門は古代〜近世の瓦、古代寺院・官衙・集落など。
新山 保和:(公財)かながわ考古学財団 発掘調査課 國學院大學大学院後期課程で日本史学を専攻。千葉県や群馬県の財団を経て、2008年より当財団に勤務。専門は埴輪や横穴式石室の工人研究。
戸羽 康一:埼玉大学教養学部を卒業、同大学大学院文化科学研究科文化環境専攻において考古学を専攻し、修了。鳥取県埋蔵文化財センターを経て、2007年よりかながわ考古学財団勤務。専門は弥生時代の鉄製品。
野坂 知広:(公財)かながわ考古学財団 調査研究部 立正大学史学科卒業。國學院大學大学院前期課程で日本史学を専攻。青森市教育委員会、新宿区文化観光課を経て、2015年よりかながわ考古学財団に勤務。専門は縄文時代後・晩期の葬墓祭制の研究。
脇 幸生:國學院大学文学部史学科卒業。考古学を専攻。2007年よりかながわ考古学財団勤務。専門は旧石器時代。
★11/8はZoomを使用します。当日、オンラインで参加される場合は、URLより氏名とメールアドレスのご登録をお願いいたします。 <参考テキスト> (公財)かながわ考古学財団編『足元に眠る神奈川の歴史』(有隣堂) ※別途講義資料がありますので、本書をお持ちでなくてもご参加いただけます。
Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せは yk9yokohama@asahiculture.com で承ります。