この講座では、キリスト教がヨーロッパ社会に与えた影響を、「聖性」と「ロジック」の両面から読み解いていくことを目的とします。「聖性」という観念は、人々の価値観や信仰生活、あるいは、建築や絵画などのあらゆるキリスト教芸術にはかりしれない影響を与えました。またキリスト教的な「ロジック」は、当時の権力構造や平和概念といった社会の枠組みをつくるさまざまな概念を規定し、他地域への軍事侵攻や他民族の排除を正当化する理由にもなり得る重要なものでした。そしてこれらは「ヨーロッパ的なもの」の礎となり、中世以降、ヨーロッパ社会がさまざまな局面で変容し、再編されていくなかで、常に普遍的な屋台骨として機能しました。その様相を、多様なテーマを取り上げていくことで、解明していきたいと考えています。(講師・記)2024年1月開講。 【2025年7〜12月各回予定】 第19回 異端と社会(3)カタリ派とアルビジョワ十字軍 第20回 異教と迷信――キリスト教化するヨーロッパ 第21回 十分の一税と私有教会 第22回 ならず者から「キリストの戦士」へ――「神の平和」と騎士の誕生 第23回 教皇権(1)「ローマ司教」はなぜ「教皇」と呼ばれたか 第24回 教皇権(2)ドイツ皇帝との相剋――教会改革と叙任権闘争
藤崎 衛:ふじさき・まもる 東京大学教授 1975年生まれ。ローザンヌ大学、ローマ大学などに留学し、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。上智大学准教授を経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授を経て教授。専門は西洋中世の文化史・宗教史。著書に『中世教皇庁の成立と展開』(八坂書房、地中海学会ヘレンド賞)、『ヴァチカン物語』(塩野七生などとの共著、新潮社)、『名著で読む世界史』(共著、山川出版社)。訳書にG・バラクロウ『中世教皇史』(八坂書房)、J・ブラック『世界史』(ニュートンプレス)。
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8月なし、9月は2回です。・講師の校務の都合で、変更や日時変則になる場合がございます・Zoomウェビナーを使用した教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、yk9yokohama@asahiculture.comで承ります。