《ドン・カルロ》は、ヴェルディの後期を代表する大傑作。16世紀のスペイン宮廷を舞台にした歴史絵巻で、道ならぬ恋、友情、宗教と政治の対立など、様々なテーマが壮麗な音楽によって歌い上げられます。主役級の歌手が6人必要で、全編これ聴きどころの連続です。 2023年の11月に演奏会形式でプッチーニの《トスカ》を上演し、大成功を収めた高関健マエストロと東京シティ・フィルのコンビが、この9月、日本を代表する歌手を揃えて《ドン・カルロ》(演奏会形式)に挑みます。この貴重な機会に、高関マエストロから《ドン・カルロ》についてお話を伺えることになりました。演奏会形式のオペラはとにかく「音楽」が勝負。楽譜の緻密な分析に定評のあるマエストロのこと、ヴェルディの音楽の魅力の本質を発見できる、充実、納得の講座になることは間違いありません。 (加藤講師・記) [■第381回定期演奏会](https://www.cityphil.jp/concert/detail.php?id=611&) ヴェルディ:歌劇《ドン・カルロ》(演奏会形式)(全4幕 ※第2幕第2場、大フィナーレを除く全曲) <作曲>ジュゼッペ・ヴェルディ 2025年9月6日 (土)14:00 開演 東京オペラシティ コンサートホール 指揮:高関 健[常任指揮者]
高関 健:桐朋学園在学中の1977年カラヤン指揮者コンクールジャパンで優勝。ベルリンでヘルベルト・フォン・カラヤンのアシスタントを、タングルウッド音楽祭でもレナード・バーンスタイン、小澤征爾らに指導を受け、1984年ハンス・スワロフスキー国際指揮者コンクール優勝。 国内はもちろん海外への客演も多く、2013年と2017年にはサンクトペテルブルグ・フィル定期演奏会を指揮、世界に名だたる名門オーケストラから豊潤な響を引き出し聴衆や楽員から大絶賛を受けた。ピエール・ブーレーズ、ミッシャ・マイスキー、イツァーク・パールマン、ギドン・クレーメル、ミハイル・プレトニョフ等の世界的作曲家やソリスト、特にマルタ・アルゲリッチからは3回の共演を通じてその演奏を絶賛されるなど絶大な信頼を得る、緻密で徹底的なスコア分析からスケールの大きな音楽を作りだす名匠。 オペラでも新国立劇場やウラジオストクとサンクトペテルブルグでの團伊玖磨「夕鶴」、大阪音楽大学ザ・カレッジオペラハウスでのブリテン「ピーター・グライムズ」をはじめ、2021年4月には新国立劇場でストラヴィンスキー「夜鳴きうぐいす」、チャイコフスキー「イオランタ」を指揮、作品の魅力を存分に伝えて高い評価を得ている。 これまでに広島交響楽団音楽監督・常任指揮者、新日本フィル正指揮者、大阪センチュリー交響楽団常任指揮者、群馬交響楽団音楽監督(現・名誉指揮者)、札幌交響楽団正指揮者、京都市交響楽団常任首席客演指揮者などを歴任し、2025年4月現在東京シティ・フィル常任指揮者(2015年4月〜)、富士山静岡交響楽団首席指揮者(2021年4月〜)、仙台フィル常任指揮者(2023年4月〜)を務める。 第4回渡邉曉雄音楽基金音楽賞(1996年度)、第10回齋藤秀雄メモリアル基金賞(2011年)、第50回サントリー音楽賞(2018年度)を受賞。NHK等の番組にも定期的に出演するなど幅広い活躍を続けている。 東京藝術大学名誉教授。 X (旧twitter) @KenTakaseki
加藤 浩子:かとう・ひろこ 音楽評論家 東京生まれ。慶應義塾大学大学院修了(音楽学専攻)。音楽評論家。著書に『黄金の翼=ジュゼッペ・ヴェルディ』『バッハへの旅』(東京書籍)、『ようこそオペラ!』『今夜はオペラ!』『モーツァルト 愛の名曲20選』『オペラ 愛の名曲20+4選』(春秋社)、『ヴェルディ』『オペラでわかるヨーロッパ史』 『音楽で楽しむ名画』(平凡社新書)ほか多数。共著に鈴木雅明氏との対談集『バッハからの贈りもの』(春秋社)。最新刊は『16人16曲でわかるオペラの歴史」(平凡社新書)。 ブログ http://plaza.rakuten.co.jp/casahiroko/ ホームページhttp://www.casa-hiroko.com/
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