1945(昭和20)年、もはや戦争は日本にとって絶望的な段階に入っていました。イギリス・アメリカ・中国の連合国側は、すでに1943年末の段階で日本に対して「無条件降伏」を迫っていました。1944年6月〜8月のサイパン島を中心とするマリアナ諸島での「決戦」に敗北した日本は、それでも戦争継続の道を選びました。その際に、戦争継続の論理となったのが、「一撃講和」(決戦後講和)という考え方です。この考え方に基づいてフィリピン「レイテ決戦」、硫黄島戦、沖縄戦が遂行され、多くの人々が犠牲になりました。 本シリーズでは、『大本営陸軍部戦争指導班 機密戦争日誌』や作戦部長『宮崎周一日記』などの大本営関係資料を読み解きながら、「一撃講和」(決戦後講和)論の中心であった参謀本部における戦争継続の論理、そして、ソ連を仲介とした和平論への傾斜など天皇をはじめとする国家指導層の戦争と講和に対する考え方の揺れ動きについて、1945年を中心にその実像に迫ります。(講師・記) 【7月期】 7月:1945年2月:本土空襲と硫黄島の戦い 8月:1945年3月:沖縄戦の始まり 9月:「一撃講和論」と「ソ連を仲介にした和平論」 <今後の予定> 【10月期】 10月:1945年4月:鈴木貫太郎内閣の成立 11月:1945年5月:ドイツの降伏 12月:1945年6月:「本土決戦」方針の確認 【1月期】 1月:1945年7月:ポツダム宣言 2月:1945年8月:ポツダム宣言受諾 3月:1945年9月:「日ソ戦争」の終結
山田 朗:やまだ・あきら 1956年大阪生まれ。東京都立大学大学院(史学)修了。博士(史学)。東京都立大学助手を経て1999年より明治大学文学部教授。日本近現代史・軍事史を専攻。 単著に『大元帥・昭和天皇』(新日本出版社)、『軍備拡張の近代史』(吉川弘文館)、『昭和天皇の軍事思想と戦略』(校倉書房)、『日本は過去とどう向き合ってきたか』(高文研)、『兵士たちの戦場』(岩波書店)、『昭和天皇の戦争』(岩波書店)、『日本の戦争T・U・V』(新日本出版社)など、編著に『ものから見る日本史 戦争U 近代戦争の兵器と思想動員』(青木書店)、『戦争と現代3 近代日本の戦争をどう見るか』(大月書店)、『登戸研究所から考える戦争と平和』(芙蓉書房出版)、などがある。
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