ユネスコ世界遺産にも登録されている龍門石窟は、中国河南省洛陽市の南にあり、5世紀末の北魏時代に造営が始まりました。19世紀末に洛陽を訪れた岡倉天心が、龍門石窟の北魏の造像様式と飛鳥の止利様式とが類似していることを指摘して以来、「北魏様式」は飛鳥仏の源流として注目されてきました。また、それらの仏像のなかには、「龍門二十品」に代表されるすぐれた書跡の造像銘をともなうものがあり、それを読み解くと、造営の順序や造像の背景が次第に明確になってきます。巨大な石窟寺院の造営は、いつ、だれが、どのようにして始めたのでしょうか。この講座では、北魏時代の龍門石窟を中心として、その調査の歴史と現在の状況を紹介するとともに、近年の研究成果をふまえて、龍門石窟の「北魏様式」の成立過程を探ります。 (オンライン講座を併設します。オンライン受講の受付は、WEBのみ)
向井 佑介:京都大学人文科学研究所准教授 兵庫県生。京都大学大学院文学研究科博士後期課程から京都大学人文科学研究所助教、京都府立大学講師・准教授を経て、2017年より現職。専門は中国考古学・歴史考古学。著書に『中国初期仏塔の研究』(臨川書店)など。
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