シモーヌ・ヴェイユ(1909–43)は、『重力と恩寵』などで知られる稀代のフランスの思想家です。数学者アンドレ・ヴェイユを兄に持ち、相対性理論や量子論が物理学に変革をもたらしつつある時代に生きたヴェイユは、科学に対しても鋭い批評を残しています。それは、科学が人間的な「意味」を失っていくことに対する警鐘でもありました。ヴェイユは同時代の科学の何を批判し、またありうべきどのような科学を夢見たのでしょうか。本講座では、科学に関するヴェイユのテクストをひもときながら、その現代的な意義についても考えてみたいと思います。(講師・記) ※講師の所属が2025年4月から変わりました。大阪大学社会技術共創研究センター特任研究員(常勤)→東北大学DEI推進センター助手 全3回 <各回テーマ>※各回テーマは予定です。変更になる場合もございますので、予めご了承ください。 4月 シモーヌ・ヴェイユと科学——デカルトとの格闘 5月 ヴェイユの現代科学批判——量子論の衝撃 6月 新しい科学の構想——ギリシャ幾何学に魅せられて
鶴田 想人:つるた・そうと 東北大学DEI推進センター助手。専門は科学史・科学論。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得退学、修士(学術)。修士論文「シモーヌ・ヴェイユの科学思想」で広域科学専攻奨励賞を受賞。共編に『ジェンダード・イノベーションの可能性』(明石書店、2024年)、『無知学への招待』(同、2025年)、共訳にロンダ・シービンガー『奴隷たちの秘密の薬』(工作舎、2024年)がある。
※Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはcb9info@asahiculture.comで承ります。